↑嬉野流の基本図

私は将棋ウォーズの3切れで嬉野流を採用することがあります。力戦に持ち込み、力勝負をすることが目的でしたが、優秀な対策がいくつも作られ、定跡化が進んでしまった印象です。嬉野流超急戦はそんな嬉野流を奇襲戦法として昇華させたものです。なお、この戦法は先手専用です。

進んで後手が飛車先を伸ばしてきたところ。後手が嬉野流をとがめるなら二手目は△3四歩です。先手は角が浮いているので角道を開けられません。また、角道を開けずに一直線に後手が棒銀をしようとしてもうまくいかないことが多いです。この変化は書く気になったら書こうと思います。

次の一手が超急戦への第一歩です。

それが▲7六歩。後手が強気に踏み込むなら△8六歩(最善)、穏やかに指すなら△6二銀、ほかには△8八角成、△4四歩などが考えられます。△8六歩を中心に見ていこうと思います。(△6二銀を一番よく見ますが)

△8六歩 ▲同歩 △同飛車

角交換振り飛車でよく見る手筋を使います。

▲2二角成 △同銀 ▲7七角

飛車銀の両取りがかかりましたが、8九の桂馬を取られるのでソフトの評価値は‐250点ほどです。どちらも受けるなら△8二飛車ですが▲8四歩と垂らして互角ながら先手ペースでしょう。後手は攻め合いに出ます。

△8九飛成 ▲2二角成 △3三角 ▲同角 △同桂 ▲6六角

手順中△3三角は絶対の一手で次に先手が飛車をぶつけることができれば先手大成功です。△3三角に対して▲2一馬は△7七桂で先手の駒得の主張が消えるため危険。最後▲6六角で▲5五角は、△4四角 ▲同角 △同歩 ▲5五角 △9五角 ▲6八銀

△5七桂!で後手勝勢。▲5七角は絶対の一手です。

 

ということでここまで一直線の変化であるため、上図を嬉野流超急戦の基本図とします。すでに嬉野流の見る影もありませんが、相手にとっては未知の局面になっているでしょう。この戦法のねらいは、「相手だけ力戦」にもちこむ込むことです。

 

ではこのくらいで。

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