なぜ俺が謝らなければいけないのか。
あまりに悔しい。
代々木駅の周辺で飲んで、楽しくカラオケに行って、さー帰ろうかという代々木駅の改札で事件は起きた。
ガレッジセールスのゴリみたいなお兄さんが
自動改札機につまずいてなんかぼやいた。それを後から改札機に入った俺が、なんかちゃしたらしい。全く覚えていない。
凄い小さい声で、二人で飲んでた相方につぶやくようにちゃかしただけだったという。
なぜかゴリが切れた。改札機を逆走してきたので175の58のスペックの自分は、リアルに近いゴリが改札を逆走してきたところで、彼の胸を押さえたらしい。記憶にあるのは怖かったということだ。
動画を確認したJRの職員に一斉に批判された。最初に触れたからだという。痴漢が怪しい行為をして、最初に痴漢の容疑者に触れたら、痴漢の被害者になりそうな女性が犯罪者になるのか。
小学生の時、ただ自分が拒否しただけなのに自分の手首がいじめっ子に当たった瞬間を担任にみられて、それで自分がフィフティー&フィフティーで悪いことになった記憶が蘇った。
因縁をつけたゴリは、恐らく俺みたいないじめっ子をどやしつけたことを思い出したのだろう。調子に乗って嵩にかかってきた。
立場上、謝ってすむならそうした方がいいわけだが、いじめが原因で自殺した矢巾の子を思い出した。俺も盛岡の生まれだから、自殺した子のことがどうしても気になった。
きっと俺が素直に謝れば、この男は職場でまたブイブイ言うのだろう。でも、俺が粘って面倒くさいことになれば、こいつはきっと面倒くさいやつにやるだろう。そう思った。
俺の同僚が仲裁に入った後も、男は盛んに俺を挑発してきた。まるで俺のことをバカであるかのように。
暴力を振るったのは本当に俺なのだろうか。175の58キロの人間が、改札機を逆走してきた人間に恐れをなして胸に手をかけた場合(両手を開いてストップの意思を示しただけなのに)、暴力を振るったのは果たして私の方なのだろうか。
あまりに悔しくて、今日は眠れそうにない。
