私ケアマネジャーという仕事をしています。今回は、介護の観点から運動と健康について書いてみたいと思います。

介護保険払っている人もいると思いますが、介護保険を利用すると、基本的には1割(収入によって2〜3割)の自己負担で介護保険サービスが受けられるようになります。
自己負担以外は、介護保険という税金から負担されるので、本当に介護保険が必要な人に利用してもらう必要があります。

ケアマネジャーの仕事で、ケアプランの作成というのがあって、介護保険を利用するときに、その人がどういう理由で、どんな介護サービスを利用するかというのをまとめた書類を作ります。それがケアプランです。

このケアプランを作るときによく出てくるのが、『認知機能の維持向上』と『下肢筋力の維持向上』という言葉です。

簡単に言うと、介護を受けずに元気に生きていくには、認知機能と下肢筋力を維持向上することが重要ということです。

認知機能の維持向上は、認知症予防と言った方がわかりやすいですね。認知症に関しては脳の病気なので、主に医療的な支援が必要です。
自分の努力で認知症予防できることもたくさんありますが、それ以上に、医療的な面で認知症になる原因を解明したり、薬が開発されたりすることの方が認知症の予防には重要だと思います。

下肢筋力の維持向上は、わかりやすく言うと、足腰を鍛えるってことです。
足腰を鍛えるっていうのは、その言葉の通りで、自分の努力で鍛えられるわけです。

介護が必要になる理由で、足腰が弱ってしまったからというのは本当に多いです。

ケアプランを作るときに、利用者の目標を立てるんですが、その目標で、下肢筋力の維持向上はよく出てきます。何度も何度も下肢筋力の維持向上って自分で書いているうちに、自分はどうなんだ?ってやっぱり思うんです。

うちの職場の高齢者施設に、ちょっと立派な、いや、なかり立派な体格の管理栄養士がいるんですけど、その人が利用者の栄養管理をしているわけです。説得力ないでしょ!
ぜんぜん自分の栄養管理できてない人が他人の栄養管理するなんて、それはもうコントなんです。

まぁだから自分も、下肢筋力の維持向上って言いながら、デスクワークが増えて、体重も増えつつある状況が何か違うなと思い始めて、それから自転車に乗り始めたんですよね。
将来も、なるべく介護保険使わずに元気に生きたいと思いますしね。

山登りも、本当に山登りが好きかと言われると、どうなんだろう?
山登り流行ってたし、ひとりで登る気にはならないけど、誰かと一緒に登るのなら楽しいし、やっぱり最後まで元気なじいさんがいいなと思って山登りも始めたような気がします。

介護の話に戻ると、足腰を鍛えるって本当に重要です。
介護保険でまず必要になることが多いのが、買い物に行けなくなる、掃除が出来なくなるというような家事に関することです。
家事をしてもらうために介護保険サービスを利用するのも抵抗感じる人が多いです。家族であっても、ヘルパーさんであっても、家事をしてもらうには、家の中に入ってくるわけですから。

それから、更に介護が必要になってくると今度は、家の中の移動が大変、ひとりでお風呂に入るのが大変、ひとりでトイレに行くのが大変。という風になってしまいます。
こうなってくると、身体的な介助が必要になってきます。これは想像以上に抵抗を感じるのではないかなと思います。

でも、年をとればそういう状況がやってくることもあります。それでも、足腰を鍛えておくのには意味があります。

例えば、ひとりでお風呂に入れなくなった。でも、お風呂で椅子に座ったままの姿勢を維持できる。お風呂の浴槽を跨ぐことができる。これができるかできないかで、家のお風呂に入れるか、施設の機械浴を利用するかの違いが出てきます。

トイレに行くときも、トイレ内で手すりに捕まって立ち上がることができるか(ズボンの上げ下ろし)、便座に座ったまま姿勢を維持できるか。これができるかできないかでトイレで排泄できるか、オムツをつけなければいけないかの違いが出てきます。

たまに、介護を受けるようになったら、下の毛を処理しといた方がいいのかどうかなんていう話を聞きますが、そんなことするより、スクワットでもした方がいいです。足腰鍛えて、トイレですることの方が絶対に重要です。
でも、介護以外の目標で処理する方もいますが、いろんな楽しみがあって良いと思います。真面目な意見です(笑)

とは言っても、人生何が起こるかわかりません。私の場合は、じいさんなのに無茶なことして、怪我して介護受けるなんてことがありそうな気がします。

そういうときは遠慮なく、当然のように介護保険サービスを利用していいんです。介護保険料納めてますからね。