カラオケ会の最初に簡単な自己紹介はしたけど、皆でカラオケをした後だからか、お互いにどんな人なのか興味が湧いてくるのだと思う。

おやつの時間におしゃべりしながら、少しプライベートな内容の話題になった。

こういう場で自分がシングルファーザーであることを話そうと思ったときに、自分のことだけど自分のことでないような違和感がある。
そういう言えば、俺はシングルファーザーだったなって改めて思い出すような。

違和感というのは、世間一般の人がイメージするシングルファーザーと、自分は違うと感じてるから。

世間一般の人がイメージするシングルファーザーは、俺からするとちょっと立派過ぎるんだよな。

子供たちと一緒にいるときはシングルファーザーだなぁとは思うけど、外に出ると自分がシングルファーザーであることを忘れているような感じだから、世間一般のシングルファーザー像が俺にはちょっと立派過ぎて当てはまらない気がする。

良くも悪くもシングルファーザーっぽくないんだけど、そういう方が良いかなとも思う。

その一方で自分のことを知っでもらいたいという気持ちもあって、花子さんにも知ってもらいたいなと思った。

話の流れで子供の話題になったときに、

「僕も子供がいるんですよ。
 僕が育てていて、
 シングルファーザーなんです。」

えー!

お子さんいるんだ。

何歳ですか?

驚きの反応と、
質問が飛んでくる。

花子さんも少し驚いた様子で頷きながら聞いている。

「俺もバツイチだよ。
 でも、子供育ててるなんてすごいね。」

ある男性がそんな話をしたら、

「私もバツイチですよ。」

と、花子さん。
花子さんもバツイチなのか。

「子供はいないです。
 トトロさんはそんな大きいお子さんがいるようには見えないですね。」

「そうなんですよ。

 若作りしてるんでw」

謙遜しないんかいw


シングルファーザーというのは、世間一般では自分が思っている以上に肯定的に受け止めてもらえるんだけど、俺にとってはそれがちょっと負担に感じたりする。

それから、女性からすると人としての評価と、恋愛対象としての認識はまた別だったりする。

シングルファーザーとして認めて貰えても、恋愛対象にはならないという経験も何度がある。

でも、それは当然のこと。
俺ももし、子育ての経験がなかったら、子育てしている人に対する認識だったり、子供がいる人との恋愛や結婚に対する認識もぜんぜん違ってくると思う。

だから、花子さんが本心ではどう感じていようと、それでいいと思う。