2016年11月の第2週、ひさびさに金沢に赴き、いつもの方々に顔見世して
まいりましたので、そのご報告です。
句会の前夜はJALの最終フライトで小松空港に着きました。北陸新幹線開通の
余波なのでしょうか、金沢市街へ向かうバスの経路変更には戸惑いましたが、
何とかホテルにチェックイン。
この時期の金沢は香箱蟹の解禁とかでグルメには垂涎の状況。でも私的には、
お気に入りの「新天地」という、東京で言えば「ゴールデン街」や「しょん橫」を彷彿させる
飲み屋街に迷い込み、その中の一軒で、安酒と突出しを食らって、店のママさんとの
親睦会話に終始していました。
明けて、句会当日は朝からあいにくの小雨模様。但し、時折晴れ間も覗いたりして
いました。
(後にいずみの句会のメンバーから、この風情を「加賀時雨」と呼ぶことを学習しました。)
で、お約束の兼六園。完成済みの唐崎松の雪吊と、綺麗な紅葉あたりに、エトランジェの
自撮棒が集中します。
そういえば、二年前に訪れた際には、雪吊りのライブと、鰤起しの激震を体験しましたっけ。
今回はそれらはありませんでしたが、加賀時雨(降ったり晴れたり)が魅せた奇跡のような
刹那の冬の虹には暫し時さえ忘れる心地でした。
さて、いずみの句会。いつもの図書館の2F、忘れられたような片隅に
ハリー・ポッター的な小部屋があって、そっと扉を開けると、懷かしいお顔が
いくつも。「皆さん、お久~。」「訪ね人は今」のごとき感動の一瞬でした。
但し、感動しているだけじゃダメで、俳句もちゃんと作るのです。席題は「加」「種」。
締め切り時間まで雑談を交わしながらの作句にいそしみます。
そうそう、雑談の中で、最近このブログを賑わしている「おつみたずみ」の正体を
暴露したら、皆卒倒。う~ん。社外秘とは言え、意外にも情報の浸透不足を
実感させられました。これから暫くは毎月、東京から金沢へ諜報要員を送り込む
必要がありそうですね。ということで来月はYJNさん、よろしく。
句会そのものはオーソドックスに、一人七句出しの七句選、うち一句特選で、披講。
披講後は、自分の手元で清記した句について、自分なりの感想や解釈を述べます。
個人的に、普段東京ではあまりお目にかからない風情の句が多いと感じました。なかでも、
「シクラメンを飾って客をもてなす」というホスピタリティーに溢れた店主の句、
「ふるさとの柿の味と種の多さを思い出す」というノスタルジックな景の浮かぶ句、
「ランジェリー姿で東尋坊の崖の上に立つ」という土曜サスペンス劇場のような句など、
加賀の人々の奥行きの深さを感じるひとときでした。(上記画像にはモザイクかけてます。)
余った時間は一人バスで町へと戻り、小松空港行きバス発までの時間を潰します。
香林坊の丁字路にあった109は東急スクエアと名を変え、ヤング向けから大人向けの
路線へと舵を切ったようで、こんなところでも北陸新幹線開通の余波が表れているので
しょうか。バスの発車時間待ちのため、たまたま入ったおでん屋で隣り合わせた地元の
方も、「むしろ金沢駅近辺が栄え始めており、この界隈はジリ貧だね。」と述べて
いました。一見で入った店でしたが、「高砂」という老舗のおでん屋だったらしく、予約客が
殆どで、ふらりと入れた私はかなりラッキーだったようです。バイ貝が人気メニューらしく、
沢山注文されていました。
やがて時閒となり、東横インの前からバスに乗り、金沢駅経由で小松空港へと
向かったのでした。
加賀の皆様、大変お世話になりました、これからも定期的に訪れますので
よろしゅうに。
以上 無責任編集 by Hiko_7