電撃ネットワーク 三五十五ブログ『三五十五のなんじゃこりゃー!』 Powered by アメブロ-120222_2146~01.jpg

久しぶりに水槽をセットした。

水槽は友人から譲り受けた物。

震災の直前、
サカナを沢山飼っていた友人が水槽を増やそうとして買った物らしいのだが…

その矢先に起こったあの忌まわしい地震のせいで部屋中大洪水!

挙げ句の果てには長い間の停電により全滅。

新しい水槽をセットするどころか
「もう、コリゴリ!」
使わずにそのままの新品がある、というので
3カ月も前に何となく譲り受けてはみたものの、

俺もそれ程までにはモチベーションが上げられず、

ずっと押し入れの中に入れたままにしていたのだが、、

昨日ホームセンターのペットコーナーで偶々このラミレッジのペアを見つけた。

シクリットの仲間なのだが、

気が荒く、大型になる種類が多いシクリットの中では、

ひときわ温和で小型の美しい種類なのだ。

シクリットは元々大好きな種類のひとつで、
随分昔にハマった事がある。

当時はブームも手伝って、日本新着の大型シクリットが毎月のように専門誌で紹介されていた。

仲間達と競い合うかのようにして、
それらをやたらと買い漁った時期もあるのだが、

何しろ気性が激しくケンカが耐えない種類ばかりで、
やたらとデカくなる奴らが次々にやってくるので、

俺の部屋の水槽もドンドン大型化してゆき
数もあっという間に増えていった。

水槽の数は20を超え、
床下に自分で潜り込んで強化して、
幅1800mmもある水槽まで持ち込んだ。

部屋なんだか熱帯魚屋なんだか分からない状態になり、
家族からも呆れられた。

そんな熱い時代は俺の中ではとっくに終わっているのだが、

どうせ飼うならシクリットのペアがいい!

小さな水槽でも他のサカナとも混泳が可能なシクリットで、俺の好きな種類のひとつでもあるサカナ。

ラムのペアなら、この小さい水槽のサイズでもギリギリOK!

水槽を譲り受けた時から何を泳がせるか決めていた。

アピストグラマ・ラミレッジだの
パピリオクロミス・ラミレッジだのと、ちょいちょいくくりが変わり、
その度に正式名称が変わったりして、
ややこしい種類でもあるのだが、

今はミクロゲオフォーグス・ラミレッジ というらしい。

ラミレッジ。
通称ラム!

アクアリストならラムと言えば皆分かる。

昔は東南アジアのブリードものがよく出回っていた。

本当は野性味に溢れるワイルド種が好きなのだが、
やや高価で、中々目かける機会も少なくなった。

やがて、オランダやドイツでブリードされたオランダラム、ドイツラムなるモノが登場する。

東南アジア産と比べるとやや大型で体高のあるしっかりとしたタイプで、
ワイルド種とは若干違ったイメージだが、
色鮮やかで発色も良く美しい。

当初はどちらも目ん玉が飛び出るような値段で売られていたが、

今では、かなり安くなり、
質の悪い東南アジア産よりも、
むしろこれらの方が一般的になった。

オランダラムの方がより体高があり、青色の部分が多くて濃い。

俺的にはワイルド種のイメージを多く残したドイツラムの方が好みだ。

最近ではメタリックブルー等、
同種とは思えない程の改良種も作出されているが、
ちょっと弱いようだ。

さて、このラムのペアだが、
他のシクリット達と同様に

お見合い結婚ではなく、
恋愛結婚でしかペアが成立しないのだ。

ブリードものといえども、
多くの他のサカナ達と違って、
ただ単にオスとメスを一緒に入れておけばいいというわけではない。

グッピーやメダカのように
水草を植えた水槽にオスとメスを入れておいたら、
いつの間にか稚魚やタマゴが生まれていた。なんて事にはならない。

温和とはいえやはりシクリット!
縄張り意識が強いため、
気が合わないと
小さな水槽内では殺し合いになる事もある。

しかし、ペアになると、
タマゴを産みってぱなしにするのではなく、
夫婦で力を合わせて外敵から守り、

ふ化してからもしばらくの間、稚魚の面倒を見ながら育てる!
という何とも人間くさくて
凄く偉いサカナなのだ!

どうだスゴいだろ!
ってアクアリストなら皆知ってる事だけどね!

そこが、このラムも含めシクリットが好きな一番の理由だ。

通常、ペアを手に入れるには、
ちょっと大きめの水槽で5~6匹を一緒飼い、
その中から1組出来たらラッキー!
みたいな感じか、

もしくは、顔のきく熱帯魚屋さんに行き、

沢山のラム達が入っている水槽の中からペアになっているものを見つけ出し、

「このふたりは愛で結ばれている!それなのに、心無い他のサカナどもが寄ってたかってふたりの愛を壊そうとしている。今からこのふたりを救出して、俺の車で軽く愛のビニール袋ハネムーンに出かけさせてから、邪魔者のいないウチの水槽で2人っきりにさせてやりたいから、君の手で引き離してしまって、愛を壊さないように上手くこの人とこの人だけを掬って、イヤ、このふたりを貴方の愛で救ってやってちょうだい!」

と、愛という言葉を連発し、店長にプレッシャーでもかけない限り、

ペアだけを都合良く入手するのは中々難しい。

だが、このペア、運良く2匹だけ売れ残った、
と言うと聞こえが悪いので、別の言い方をするが、
店員さんに掬われずに
逃げ残った賢い2匹なのだ。

毎日毎日、買う気もないのに無料水族館のつもりで観にくるだけの大勢の輩がやってきて意味も無く覗かれる。

時には水槽を叩くバカガキがいたり、
それを見ながら叱りもしない非常識なバカ親もいたりして、
平気な顔して一緒に覗き込む。

同じ水槽には他の種類のサカナも沢山いて、
本来なら一緒にするべきじゃないような種類のサカナまでもが売り場の都合で何種類か一緒に入れられていたりもする。

同じ水槽にいるサカナが買われていく度に、
1日に何度も網を突っ込まれ、
掻き回され、
追いかけ回される。

気の休まる隙もない、
そんな劣悪な環境で偶々逃げ残った2匹。

しばらくの間、少し水槽から離れた位置から、
この2匹をそっと観察してみた。

まだ、完全にペアには、なりきってはいないが、

お互いに満更でもない感じだ。

しかし、ペアリング行動をとるまでには至っていない。

微妙な感じだったので、昨日は思いとどまり、
ハル吉の覗き窓を作る為の材料だけを買い

後ろ髪を引かれる思いを払いのけ

「一晩考えよう!」
と、売り場を後にした。

そして本当に一晩中考えた。

で、今日の夜また行ってみた。

これも縁だ!
閉店間際だし、
もしかしたら今日のうちにもう売れてしまっているかもしれない。
「もし、売れてなかったら買おう」
そう決めてから向かった。

いた!まだいた!

だが、相変わらずの微妙な関係のままだ。

もう少し、あと一歩なのだが…。

仲は悪いわけではない。

「まだサイズも小さいし、発色の具合いから見ても、お互いまだ若くて発情していないからだろう!」
という結論が俺の中では出ていた。

何にせよ、どちらの個体も質が高く、とても綺麗だ。

メスはオスに比べるとかなり小さい場合が多いのだが、

このメスは中々の体格だ!

こんな美男美女のカップルには中々巡り合えない。

相性は悪くない。
必ずペアになる!

しかし、
環境が変わった上に
いきなり2匹だけにしたら、
急にケンカを始める可能性も考えられる。

とりあえず、他のサカナも入れておいた方が仲間意識が強まり絆も深まる。

シクリットは、そういうサカナなのだ。

本当なら、同じ種類の小さいヤツ(このオスより弱い個体)を入れておいた方が子孫繁栄の為のライバルに対する意識が強くなるのか、
より早く発情し易くなるのだが、

残念ながら2匹だけしかいない。

他の混泳魚を選ぶ事に!

あくまでもこのラムのペアが主役なので、

ラム達の生活を脅かすような凶暴なサカナやデカ過ぎるサカナはNG!

①縄張り意識を強めさせるために、サイズは多少あってもいいが、ラムよりも弱いサカナである事。

②生活圏がかぶらず、お互いにある程度無関心でいられる種類である事。

③せっかくなので綺麗である事。

この3つの条件の下あとは色のバランスで選んだ。

ベタ♂1
(ドラゴンカラー)

バルーンモーリー1ペア
(シルバーメタリック)

カーディナルテトラ20
(誰もがご存知、最もアイキャッチーなテトラ)

ラミーノーズテトラ10
(群泳性の強いテトラの仲間でも最も結束性が高く、スピードの速い泳ぎが美しく、何とも上品な雰囲気を持ったテトラ)

やや過密気味になってしまったが、観賞的バランスも良く楽しい小さなアクアリウムの出来上がりだ!

このラムの恋愛から夫婦生活、産卵、そして子育てまでをちょいちょい報告する事にしよう。


あっ!まてよ。
これ、来月号の楽熱のコラムの記事にそのまま使えるじゃん!

長々とブログに載せるの、勿体無いかな?

まァ、いっか!

請うご期待!