ラビーは自分にも言い聞かせるように言いました。
ラビーは少しずつ今までのことを反省しました。でもホロはスキをみて人間の家から逃げました。ホロをひとりにさせれないので、ラビーも着いて行くことになりました。そうなると自分たちで食べ物を見つけなければなりません。しかしホロは自分で見つけようとしないのでラビーがホロの分まで食べ物を見つけてあげました。ラビーにとって相手にしてあげることが初めてです。しかしなかなか見つけられません。少し見つかるとそれをホロにあげて、自分の口に入りません。ラビーが食べないでいるのにホロは、
「こんな少しじゃ、死んじゃうよ。もっと食べたいよ。」
と、言うだけです。しばらくそれが続くとラビーは倒れてしまいました。ろくに食べもせず、ホロのために一生けんめいでしたから。ラビーは熱い体で、苦しそうにうなされています。やっと気がついたホロは、
「このままだとラビーは死んでしまう。今までごめんよ。」
と、今度はホロがラビーのために食べ物を見つけに行きました。ラビーを助けたくて一生けんめいです。何時間かかったでしょうか。ニンジンがたくさん生えているのを見つけました。ホロはよかったとほっとして、
「お百姓さん、ごめんなさい。」
と謝りながら土からニンジンを何本も抜き、ラビーの所に戻り、近くにあった小枝を集めました。そして、生まれて初めて、集めた小枝で火をつけ、そこらへんに転がっていた空き缶でニンジンスープを作りました。
「さあ、お前の大好物なニンジンスープだよ。」
ホロは少しずつ、ニンジンスープをラビーの口に流し込みました。ラビーはニンジンスープを飲ましてもらっているうちに体の中からポカポカ温まってきました。熱にうなされていたラビーは少し目を開けてホロを見ました。
「もう大丈夫だ!よかった!」
ホロは飛び上がって喜びました。ホロはラビーのために体をさすったり温かい物を食べさせたりしました。やがてラビーは元気になり、今度は、一緒に食べ物を見つけに行きました。食べ物が少ない時はお互いにゆずり合って仲良く食べました。そのうちに一ヶ月が過ぎました。
「キミたち、よく頑張ったね。さあ、家に帰してあげよう。」
天から声が聞こえてくるとまた竜巻が起こり、ラビーとホロはそれと一緒に吹き飛ばされてしまいました。
・・・朝。
「ラビー、ラビー、起きなさい。」
夢の中からお父さんの声が聞こえてきて、ラビーはうす目を開け、周りを見ました。
「お父さん?」
目の前にいつもの優しいお父さんが立っていました。ラビーは思わず、お父さんにしがみつきました。
「僕、家に帰ったんだね。よかった!」
ラビーは泣きじゃくりながらいいました。
「どうした?怖い夢でもみたんだね。もう大丈夫だよ。」
それからラビーはおねだりしなくなりました。そればかりか
「北の国はとっても寒いところなんだね。そこで暮らしている僕たちの仲間はかわいそうだね。」
今まで聞いたことがないラビーの言葉にお父さんはびっくりしました。でもこんな優しいラビーを見てお父さんは喜び、微笑みました。一晩で優しくなったのはラビーだけではありません。ホロもまた優しい子になりました。北の国でツライ想いをしたラビーとホロはとっても仲が良くなりました。
北の国の一ヶ月って、夢の中の出来事だったのかなと不思議に思いながら・・・。
・・・数日前。
ラビーとホロのお父さんお母さんたちはちょっとずつ、わが子のことが不安になってきました。このままではいつまでも成長しないのではと思いながらもついつい甘やかしてしまうのです。甘やかしてしまったお父さんたちは神様にお願いしました。
「どうか、思いやる心を持ち、友だちを大事する子になってくれますように・・・。
おしまい