劇団YAX直線第20回公演『室町シーザー』(ネタバレあり) | 松本電電丸の劇場

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というわけで、今日は劇団YAX直線第20回公演『室町シーザー』を鑑賞。だけどその前に、公演のあらすじとかをお話しましょ。


室町時代の中期を描いた時代劇、そしてそれを『ジュリアス・シーザー』になぞらえて描いたのが本作。

室町幕府第6代将軍に「足利義教」が選ばれた。というのもその選定方法はなんと「御神籤」つまり「くじ引き」!

しかし義教はそれを「神に選ばれた」と捉え、強引に改革を断行していく。その様は後に「魔王」と語られるようになる…。

その一方で、「能」を大成させた、日本芸能史の伝説の存在である「世阿弥」は、女申楽に目をつけ、自ら「女子舞」と名付けた新たな芸事を携え、一座の返り咲きを狙う…。




というもの。思えばYAX直線で時代劇ってのはなかったな。原さんは「舞台の上で人を殺すな!」と主張してたことがあったっけか。


あーでも、こんにちはシアター時代では『やがて泰平シャットダウン』という、幕末あたり(確か大名行列を横切った異人を薩摩の浪人が斬り捨てたという「生麦事件」が起こった後くらい)の物語を描いてたな。

俺が幕府転覆を目論む党の党首で、死者を蘇らせて使役する魔の経文の持ち主というデカい役だった。原さんは主人公の親友だが、その党首に逆に殺され、使役されるという役。孫文以外の歴史上の人物はいなかったなそういや…

あとはYAX直線×RUN-BEATの『靡かない花』。これは豊臣秀吉没後の「関ヶ原の合戦」を運動会タッチで描いた人間ドラマ。
細川忠興を主人公とした作品で、徳川勢と石田勢、誰が誰を味方につけるかといった駆け引きもあった。政治的思惑の交錯、そして細川忠興とその妻たまとの尋常ならざる愛の物語でもある。

それでもYAX直線で時代劇ってのはやっておらず、単体ではこれが初の時代劇となる。




かんなり話が脱線したが、感想を。
まだ公演見てない方は回れ右でお願いします。























やっぱりあの熱意!時代劇という枠にすら囚われない自由な発想から伝わる熱意や感情、それらが時代劇への苦手意識をぶち抜いて心に響かせてくれた。

それに一人何役当たり前ってなくらい登場人物が多いんだ。けどそんな先入観すらもぶち抜いてくれた。この面白さをどうやって分かりやすく伝えられるのか、自分のボキャブラリーの貧相さが恨めしくなるくらい。

この室町時代中期を何故歴史の授業で端折られていたのかが、理解に苦しむ。この足利義教、めちゃスゲえことやらかしてくれてますからね。比叡山焼き討ちは織田信長が先と思ってましたが、義教が先にやってたんですね。それから関東平定、九州平定…とにかく力に頼った変革を成し遂げていく。
けど、力に頼る者は力によって挫かれる。
結局裏切りにあって死亡。そして「犬死に」などと歴史に語られる始末。

あと忘れちゃいけないのが世阿弥の話。まあ女子舞についてはフィクションという点を活かした表現になっていて、さながらアイドルのライブのようだった。あのキレッキレのダンスは練習量を雄弁に語ってるように思う。

あの曲名なんて言ったっけか…

そんなわけで、沢山楽しませていただきました。良尚くんチケット予約ありがとうm(_ _)m

他にもな、大黒摩季とか世代の人にはツボな芸能ネタも扱っててヤバいわ、ギャグもまた手加減なしや。