緊急事態宣言が解除され、再び感染者数が増加し始めていますが、人々が持つ危機感は様々のようです。
同じ状況にいながら、その状況をどうとらえるかは人によって異なります。それはなぜなのでしょう。
この理由を考えることは、人に惑わされることなく自分で判断し、行動するのに役立つかもしれません。

Aさん:
新型コロナは治療薬がない。ある程度予防も治療もできるインフルエンザとは全く違う。
経済活動を停止して一度抑え込まないと、医療体制がもたないし、経済の停滞も長引いてしまう。
PCR検査を増やして、陽性者をできるだけ隔離し、非感染者で経済を回していくべきだ。
Bさん:
新型コロナは風邪の一種で、インフルエンザと比べても死者数は多くない。
だから普通に生活して何も問題はなく、経済活動を止める理由とならない。
PCR検査を増やして無症状陽性者を見つけても、治療できるわけでもないのだから意味がない。
感染で無症状者が増えていっても、無症状である限りは問題はない。
発症した人へしっかりと対応し重症化を抑えていけば、コロナと共存しながら普通の生活ができる。

医療関係者や政治家の間でも意見が割れています。
そのような場合、どちらかが正しくて、どちらかが間違っていると考えてしまいがちです。
どちらかが正しいと考えてしまうと、それと違う考えを否定し、対立の構図を作り上げてしまいます。

世の中に絶対的な正解はあるのでしょうか。
正解は人によって違ったりしないのでしょうか。
答えはひとつじゃないと考え、いろいろな立場で、いろいろな角度から考えてみることができるようになってはじめて、自分自身で考え、判断し、行動ができると言えるのではないでしょうか。

自分のあたりまえも疑ってみると、見える範囲が広がり、見える景色も変わってくるかもしれません。