スポーツカーに乗ると、コーナリング性能が優秀で、まるで運転が上手くなった様な錯覚を起こさせる。


多分、写真も同じで、良いレンズを選ぶと、凡庸な構図なのに写真が上手くなった様な錯覚を覚える。

その一つの要素が、

F値
絞りのあたい、光の量を調節するためにレンズの中に羽をいくつか組み合わせて細工された仕組み、f値が小さいと絞りは開放に向かい、数字が大きいと絞り込むことで光量が減ることに成る。
上手く使うと被写界深度(ピントが合う距離)を大きく変える事ができる。つまり、ピントの合う範囲(距離)を広くしたり、狭くしたりすることが出来るのだ。この仕組みを使うことも、ミラーレスで撮影する醍醐味といえるだろう。


絞り値を小さく(絞りを開く)すれば、ピントの範囲は狭くなり、前後はボケるので、被写体は鮮やかに浮かび上がる。

絞り値を大きくすれば、ピントの範囲は広くなり、画角全体にわたってシャープな画像となる。

こんな特性を利用して、撮影のテーマを絞り込んだり、取り入れたり、たし算ひき算が楽しい。

世の中、画角を求めてズームレンズが標準的だけど、初心者こそ単焦点レンズで、固定された画角の中から、たし算ひき算をする楽しみを感じると、もっと写真が楽しくなるのではないかと思う。

単焦点レンズを選択すると、解放値の大きな(数字的には小さいf1.2とか1.7とか)レンズが比較的安価に入手できる。標準ズームレンズだけがミラーレス一眼レンズの楽しみでは無い。是非、単焦点レンズも手にとって描写を楽しんで見て欲しい。



日中の撮影で被写界深度を浅くして撮影するためには、工夫が必要な場合がある。

太陽光が明るすぎる問題
例えばポートレート撮影の時、被写体が白っぽい服を着ていると、被写界深度を浅くするために絞りを開いたとき、モデルの服が白飛びしてしまう(露出オーバー)事がある。シャッタースピードや露出補正程度で納められる範囲ならよいのだけれど、時として色合いや明るさのバランスが悪くなってしまう事がある。

そういうシーンにはNDフィルターを使う事をおすすめする。
NDフィルターとは、減光フィルターの事で、レンズに入ってくる光を制御する事が出来るフィルターなのだ。ND8やND36など数字で表されることが多く、数字が大きくなると光の量を多く遮ることになる。色合いに大きな影響を与えないように作られているので、減光しても出来上がりの写真に大きな影響が無い。光の量を減らすことで、絞りを開いて被写界深度の浅い写真が得ることが出来る。

NDフィルターには、光の量が可変出来るタイプの物もある。
以前は、光量むらが発生するなど不具合があったが、最近の製品はどれもよく出来ていて、素人目には影響が少ないように思う。レンズのリング径毎に必要になるため、可変タイプの選択はコスパが良いのかもしれない。



Lumix42.4mm(リング径37mm)用に購入した、NDフィルター
ND2~400まで可変する。日中の屋外ポートレート撮影には必須アイテムとなっている。フィルターを使用することが出来るのも、ミラーレスカメラの一つの特徴とも言えるだろう。