私たちの腕は、手指の骨と前腕骨、上腕骨、肩甲骨からなりますが、それらの骨同士は、しっかりとした丈夫な組織(関節包や靭帯)でつながって関節を形成し、複雑な動きをすることが可能です
しかし、一番体幹に近い肩甲骨は、ごく狭い範囲で鎖骨を介して胸骨とつながっているだけであり、体幹との強固なつながりは持っていません。
言うなれば、肩甲骨は背中の上に浮いているような状態なのです。
しかし、肩甲骨にはたくさんの筋肉が付いており、それらが体幹の骨と肩甲骨をつないで、支えてくれています。
筋肉での支えがメインのため、肩甲骨はその筋肉の影響を強く受けてしまいます。
すなわち、どこかの筋肉がこわばればそちらに引っ張られていきますし、どこかの筋肉が弱くなればそこから離れていきます。
よって、肩甲骨周りの筋肉のバランスは、肩甲骨の位置を決定してしまうため、姿勢を矯正する際には非常に重要になってきます。
ねこ背の姿勢は、肩が前に突き出て、内側に入っているように見えます
この状態になってしまうのは、胸側にある筋肉に引っ張られて、肩甲骨が外側にスライドしながら前に移動しているためです。
本来であれば、背中側にある筋肉が、その力に対抗するように、肩甲骨を引っ張って正常な位置にキープしてくれるはずなのです。
しかし、ねこ背姿勢の方は、その背中側の筋肉が相対的に弱くなってしまっているために、正常な位置でキープできていません。
そのため、肩甲骨周りの筋肉のバランスをみてみると、
前側(胸側)の筋肉の方が強く、
後ろ側(背中側)の筋肉の方が弱い
という、バランスのとれていない不安定な状態にあります。
肩甲骨が不安定な状態にあるというのは、実は様々なケガをしやすい状態にあると言えるのです
なぜケガをしやすいのでしょうか?
それは次回にお話しようと思います。
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