でんぱ大統領
Amebaでブログを始めよう!

LAホームレスと俺

本日、ロサンゼルスは夏のように暑かった。
サンタモニカのホームレス達もぐったり。

その中の1人に
「ヘイアジアン、金をくれよ」
と言われた。

俺は
「ヘイ兄弟。請う相手を間違えているぜ。俺みたいな無能日雇いから何を取ろうってんだ? 」
と返した。

「1ドルくらい、いいだろ?」
「1ドルもやれんさ」

「さびしいアジアンだな。チャイニーズか?」
「ジャパニーズだ。さびしいのは正解だ。なにせ俺は童貞だからな」

「Dote? なんだそれは?」
「女と一度もファックした事がないヤツを、日本ではDoteというんだ」

白人ホームレスは不思議な顔をした。
「Doteか・・・。宗教上の理由でもあるのか?」
「ぶはははは!」

俺は笑いが止まらず、
「そんな高尚なもんじゃねーよ。俺はある意味セックスマシーンさ。毎日オナニーしてる。無料画像でシコシコしてるさ。マリア様が見たら腰をぬかすだろうよ!」

ホームレスはまだ解せぬ表情のまま、
「じゃあなんで、女とファックしねーんだ?」
「したくてもできねーんだよ!」

「なぜ?」
「やれる相手がいないからさ!」

「女と付き合ったことがないのか?」
「ああそうさ! この世に生まれてかれこれ38年。俺は一度も女と付き合ったことがねーんだよ!!!」

キレ気味に話す俺に白人は押し黙る。

俺は少し冷静になって、
「すまぬ・・・」
「いや、いいさ。気にすることはねーよ」

ホームレスは俺を優しく見上げ、
「女との出会いなんて、ある意味どうでもいいんだ。人生はそれだけじゃないだろ? 例えば・・カネだ。俺は毎日必死にカネを請う。このどうしようもないみじめな行動をしなきゃ、俺はノタレ死んでしまう」

ホームレスは楽しげな表情で深刻な話を続ける。

「かと言って、まともな仕事につく気力もない。自殺する勇気も無い。サンタモニカにいるホームレスは精神的に甘いヤツが多いんだ。俺みたいにな。ダウンタウンの同志はアホみたいに強いヤツが多いんだが・・・」


俺は財布からナケナシの1ドル札を取り出し、ホームレスに渡す。
彼はじっと紙幣を見つめ、そして受け取った。

「ありがとう。アジアン」
「ジャパニーズだ。俺はジャパニーズのDoteだ」

「ははは。そうか。ありがとう。ジャパニーズのDoteよ!」

俺は晴れやかさと鬱を同時に得た奇妙な気分になった。
帰ったら酒を飲んでさっさと寝よう。
そう思いながらブルーバスの停留所へと向かった。