エベレストを越えて
「山で死んではいけない」からの流れで「エベレストを越えて」を読んだ。
著者はかの植村直己氏である。植村氏といえば南極というイメージが強かったが、
エベレストには日本人初登頂をはじめとし、5回も挑戦されている。
この本では、植村氏のエベレスト挑戦が氏自身の率直な心情とともに描かれている。
素直すぎて、山頂へのアタック前夜、テントの中での「若気の至り」までも告白されている。
そこまで書かなくても・・・
特に印象深かったのは、過酷な高山での活動においても他者への思いやりを忘れない
氏の人間性だ。自分自身は登山家であり山で死ぬ覚悟はできている。しかし、仕事として
登頂をサポートしているに過ぎないシェルパ達の事故・遭難などに対しては、絶対に
あってはならないことだと綴られている。
実際には遠征のたびに犠牲者が出ていて、エベレスト登頂の過酷さ・大変さを
改めて認識させられた。なかでも、植村氏自身が隊長を務めた遠征では、
隊員が亡くなる事故を乗り越えて山頂へアタックをかけるものの、天候悪化によって
断念する。
このときの心境はいかなるものだったろうか。心身ともにダメージを受けたことは
間違いないだろう。また、あとがきには亡くなった隊員の遺族の方からの、事故を詫びる
手紙が紹介されている。子を持つ親として、もしも同じ立場に立ったとき、それだけの
心配りができるだろうか?(考えたくもないが)
植村氏の山での鉄則は「山で死んではならない」だったそうである。
そんな植村氏も1984年マッキンリーにて消息を絶っている。
合掌。
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- 株式会社 ビーケーワン