東京都の立川市議会(定員28、現職議員26人)で、異変が起きています。

 

自民党系会派ですが、現在の国政での勢力図を考えれば、本来、最も議員数の多い市議会最大会派でおかしくないのですが、なんと第4勢力に転落してしまいました。昨年の市長選で、立憲民主党の都議だった酒井大史氏が当選する〝政権交代〟が起こり、それに伴い市議会で従来の与党から野党に転じていましたが、今回これに加えて会派では最小の第4勢力に。影響力の低下は避けられないでしょう。

 

市議会事務局が4月1日付で議会HPに発表した「議会構成」によれば、最大会派は議員7人の公明党。次いで5人の共産党と同数5人の「立憲ネット緑たちかわ」(立憲民主党、立川生活者ネットワーク、緑の党で結成)が続き、自民党系の会派「たちかわ自民党・安進会」は4人です。

 

党派別議員数では自民党も5人いるとはいえ、なぜ、こんなことが起きてしまったのでしょうか。

 

2年前の市議選時、自民党では6人が当選し、うち5人が無所属議員2人と会派を組んで総勢7人の「たちかわ自民党・安進会」を結成。公明党と並ぶ最大会派となり、議長ポストも手に入れました。ところが昨年の都議補選(立川選挙区、改選数2)に会派の2人が立候補し、5人に減少。それでも共産、立憲ネット緑たちかわと並ぶ第2勢力に止まっていたのですが、今年の3月議会の終了後、議員1人が会派を離脱。とうとう4人会派になってしまいました。会派に属さない自民党議員が2人いるとはいえ、議会内での交渉ごとやポスト配分は会派が中心。慣例等に従えば、いずれ議長ポストも公明党に明け渡すことになります。

 

立川の自民党は昨年、市長選に敗れ、都議補選でも都民ファに議席を奪われ、敗北続きでした。今年こそは再起を図るつもりだったのでしょうが、国政における自民党の裏金問題で、地元選出の小田原きよし衆院議員が6カ月の役職停止処分を受ける始末。いずれ訪れる衆院総選挙では相当の逆風が吹くことになるでしょう。

 

もっとも市民とって大事なのは、市民のための政治・政策が実現していくこと。「批判ばかりしている野党」と言われないよう、自民党にも市民のための政策実現に力を注いでいただきたいものです。