半年間応援してきた「相棒22」もついに最終回。謎だらけだった前編から続く最終回スペシャル・後編は「名探偵」右京さんの名推理と相棒・薫ちゃんとのコンビネーションで謎を解いていく痛快な展開となりました。かなり難解な事件を右京さんはどう解き明かしたのでしょうか? 

それでは、最終回の感想いってみましょう!


たった一つの真実見抜く「警視庁の名探偵」。その名は杉下右京!

嘘が飛び交う中から、真実を見つけ出せ!


杉下右京が出演する動画が突如ネットに上げられ、世間は大騒ぎに。その動画は、右京が「政治学者襲撃から始まった一連の事件の黒幕は、内閣官房長官・武智淑郎である」と推理を披露するというものだった。動画は「ディープフェイク」であったが、警視庁の上層部はこの動画を問題視し、右京は謹慎処分を言い渡されてしまう。しかし当の右京はピンチをものともせず捜査を続行し、事件解明の手がかりを着実に集めていく。

右京のフェイク動画を作ってばら撒いたのは誰の仕業なのか。発端となった政治学者襲撃事件を仕組んだのは誰なのか。少しずつ真相に近づいていく中、事件の渦中にいた武智官房長官の身に思わぬ事態が起こる!

「警視庁の名探偵」右京は、事件の真相を解き明かせるか!?


​①見た目と中身

前回、ディープフェイク動画をばら撒かれたことで内村刑事部長や衣笠副総監からお叱りを受ける羽目になった右京さん。謹慎処分を受けてしまいますが、逆にそれを利用して捜査を続行します。

ホームズのコスプレみたいな格好で行動する右京さんに笑いましたが、注目すべきは外見ではなく中身。ホームズばりの推理と行動力で真相の手がかりを着実に集めていきます。角田課長や土師さん、そして薫ちゃんも協力し、ちょっとしたチームのようになっていましたね。

薫ちゃんも捜査会議に潜入して情報を集め、右京さんに伝えるという活躍を見せます。メガネとスーツのジャケットだけで会議の場に溶け込んじゃったのにはビックリしました。いつものMA-1がないとみんな薫ちゃんと気付かないものなんでしょうか。


​②有名になった右京さん

動画の影響は世間にも及んでいました。右京さんはすっかり有名人になり、行く先々で「名探偵」と呼ばれるように。

公園で女の子に「コナン君と友達なの?」と話しかけられる所は「おっ!」となった人多いんじゃないでしょうか。実はシーズン9元日スペシャル「聖戦」で、「名探偵コナン」の作者・青山剛昌先生がゲスト出演されており、青山先生も「名探偵コナン」単行本の名探偵紹介コーナー(正式名なんでしたっけ…)で右京さんを紹介したことがあるんです。三度目の「相棒」✖️「コナン」コラボとも呼べるこの粋なセリフは私もニヤリとしちゃいました。

…あっ、だから前回に黒タイツの犯人が出てきたんでしょうか?


​③力に屈した人

右京さんと薫ちゃんが強い信頼関係からくる抜群のコンビネーションを見せた一方、信頼関係が崩れてしまったコンビもいました。内閣調査室長・社さんと警視庁広報部時代からの部下だった石川さんです。

実は、事態が動くきっかけになった右京さんのフェイク動画をネットに上げたのは石川さんでした。彼はある人物から「杉下右京と社美彌子を失脚させれば出世させる」と取引を持ちかけられ、出世に目が眩んで話に乗ってしまったのです。

まさか石川さんが裏切るとは思っていなかったので、この展開はショックでしたね。広報部時代から社さんを信頼しついてきてくれていた彼がこんなことになるなんて。石川さんが豹変する場面はショックを受けましたが、「出世のための処世術を使っただけ」という彼の言葉に薫ちゃんが「そんな処世術、むなしいだけだぞ!」と反論する所はスッとしました。

そして、この石川さんの一件が事件を紐解く最大の鍵になってきます。


​④黒幕の末路

事件の黒幕は官房長官」-フェイク動画で右京さんが語っていたこの言葉は、半分正解と言えるものでした。発端となった下川元法務大臣の指揮権発動、政治学者襲撃事件とその後の西村プロデューサーの退職、右京さんのフェイク動画をめぐる騒動、これらすべてには武智官房長官が関わっていたのです。下川さんが指揮権発動の後に辞任したのも、彼女に「辞任すれば夫を出世させてやる」と取引を持ちかけていたからでした。石川さんに出世話と右京さん&社さんを陥れる話を持ちかけたのも武智官房長官で、前任の鶴田翁助から「杉下右京と社美彌子は厄介者」だと聞いていた彼は二人を危険視し、排除しようと企んでいたのでした。

鶴田と同等か、それ以上に厄介だった武智官房長官。まさか全ての事件の裏で糸を引いていたとは…。しかし衝撃的だったのはこの後の展開でした。なんと武智官房長官は、何者かに殺されてしまったのです!

黒幕が死亡するというまさかの展開に、観ている側もますます混乱。しかも第一発見者が右京さんだったこともあり「これ、ひょっとして右京さんが疑われる展開になるんじゃ…」と心配になった方も多いのではないでしょうか。幸いそのような展開にはなりませんでしたが、「どうなってんだこりゃ!?」となりましたよね。


​④振り回された人々

謎が多くややこしかった今回の事件は、点と点同士のつながりが全て明らかになることで全貌が見えてくる仕掛けになっていました。中心にいたのは武智淑郎・下川阿貴・尾上欣吾の三人で、武智官房長官の策に振り回された下川・尾上両名が官房長官と彼に味方したある人物を殺害・復讐したというのが大まかな真相。色々事件が起きていたことと関係者の人数が多かったことでややこしく見えていましたが、直接関わっていた人物は少なく、その他の人物は巻き込まれただけだったことがわかります。前編では怪しく見えた乙部教授が後編で一切出てこなかった(実は彼も巻き込まれただけの被害者だった)のも意外でした。

下川さんと尾上さんが特命係と捜査一課から聴取を受ける最後の場面で背後のスクリーンに二人が殺害した被害者の写真が映し出されていたのが、二人のしたことを突きつけているようで印象的でした。そして、久々に見た右京さんの一喝も。

二人の動機は同情の余地があったけれど、やったことは紛れもない犯罪だったわけで…なんともやるせない結末でしたね。


​⑤持つべきものは良き相棒

今回は「二人組」が多く出ていたのも印象的でした。右京さんと薫ちゃんだけでなく、下川さんと尾上さん、下川さんと彼女の旦那さん、社さんと石川さんと色々な「二人組」が登場していましたね。信頼関係が崩れてしまったり、結託して犯罪に手を染めたりしてしまう二人組が多かった中、右京さんと薫ちゃんの長年の信頼関係からくるコンビネーションが光り輝いて見えました。「僕には亀山くんがいますから」「持つべきものは良き相棒です」というセリフがシンプルながらもジーンときました!

この二人の信頼関係は、いつまでも続いていて欲しいですね。


​⑥その他あれこれ

前編・後編通して出てきた所轄署の刑事さん、面白いキャラでしたね。またどこかで再登場しないかなあ。

右京さんが留置所にいる多賀君を訪ねる場面で、多賀君に励ましの言葉をかけるところ、ウルっときましたね。「インビジブル」での山田少年の一件があったから、苦しい状況にいた多賀君を助けたいと思っていたのかもしれません。真相が分かってからもう一度この場面を見ると、多賀君を利用したあの人への怒りが増してきますね…

武智官房長官、面白いところもあったのでクセ強な新キャラになるのかと思いきやあっさり退場するとは…。しかも鶴田翁助の時のように特命係と直接対決することもありませんでした。見てみたかったなあ、直接対決。

で、カラオケ好きなのは何だったんでしょうね。



これにて「相棒22」は完結! 半年間があっという間に感じるほどでした。

南井の生存など残された謎もあり、薫ちゃんと右京さんの物語はまだまだ続いていきそうですね。また半年後にシーズン23が始まるのを楽しみに待ってます!