駒は動いた。ゲームが始まる。


東都市長・山田征志郎の自宅に爆弾入りの小包が送りつけられ、小包の爆発により家が全焼するという事件が起きた。小包は二つ送られており、送り主の名前は「INVISIBLE(インビジブル)」、そして「杉下右京」となっていた。これを知った内村刑事部長は右京に今回の事件の捜査に関わらないよう言い渡す。

しかし右京はそんなことでは止まらず、薫と共に独自に捜査を開始。征志郎や彼の家族に聞き込みを行うが、右京と山田一家に接点はなく、犯人が爆弾を送った動機も見えてこなかった。そんな時、第二の事件が発生。新たな被害者は警備会社に勤める牧野文雄という男性で、爆弾の送り主はまたも「INVISIBLE」となっていた。

犯人は何の目的で爆弾を作り事件を起こしているのか。捜査を続ける中、右京の前に事件の鍵を握る一人の少年が現れる…


①透明人間の挑戦状

冒頭にスタッフクレジットが出た時点で「もしや…」と思っていましたが、今回は前後編! 謎に満ちた爆弾事件を特命係が追う物語が2回にわたって描かれます。前編なので謎だらけでしたが、グイグイ引き込まれるおもしろいてんかいでした。

今回は「INVISIBLE」を名乗る犯人が爆弾事件を起こし、その謎を特命係が追うというのが主なあらすじ。そこに爆弾事件のターゲットにされた人々や爆弾を作った犯人が絡み、話はどんどん複雑化していきます。犯人自体は早い段階で明かされますがなぜ事件を起こしたのかについてはまだ明らかにされません。ただヒントはいくつか出てきているので、下に私なりの考察メモを置いておきます。


②事件に関わる人々

今回の事件には多くの人が関わってきますが、その中でも大きな役割を担っていると思われる人々を紹介します。

一人は東都市長・山田征志郎。今回の事件は、彼の自宅に爆弾が送りつけられたことから幕を開けました。山田市長は苦学の末に成功を収めた経歴を持ち、周囲からの評判も篤い人物です。そんな人物がなぜ爆弾事件のターゲットにされたのか…そこが鍵の一つになりそうですね。

もう一人は右京さんと縁のある謎めいた少年・山田。IQ150の天才少年で、昨年のチェス大会で右京さんと激戦を繰り広げた凄腕のチェスプレイヤーでもあります。実は彼こそが今回の事件を起こした犯人「INVISIBLE」なのですが、なぜ事件を起こしたのかはまだ明かされていません。本城卓(ほんじょう・すぐる)という勤労少年と手を組んであちこちに爆弾を送り、世間を騒がす事件を起こした山田少年の目的はいったい何なのか。後編ではこれが大きな鍵になってきそうです。

メインとなる重要人物は上記の二名。他に山田市長の息子で城北中央署の所長を務める山田正義、第二の事件の被害者となった警備会社社員・牧野文雄、牧野の元上司で城北中央署の副署長・那須野といった人々が事件に関わってきます。

山田署長は特命係に対して「警視庁の鼻つまみ者」と平然と言い放つなど傲慢な一面が目立つ人物。那須野はそんな山田署長をよく思っていないらしく、陰では彼への不満を漏らしていました

山田少年の共犯者・本城君は電気工事会社に勤めていますが、先輩達からは「ヘタレ」呼ばわりされいじめられているようです。そんな彼がどうして山田少年と出会い、彼の計画に協力しているのか、その経緯も事件を紐解く鍵になりそうです。後篇で彼がどう動くかに注目ですね。

ところで本城君役の吉田日向さん、どこかで見た顔だな…と思ったら、Foorinのメインボーカルを務めていた「ひゅうが」君だったんですね! 大きくなったなあ…とテレビの前でしみじみしていました。


​③次回の「相棒」は…?

次回は「インビジブル」後篇。爆弾事件を起こした山田少年は自ら警察に捕まりますが、彼の計画はまだ終わっていませんでした。

「INVISIBLE」=透明人間とは何を意味しているのか。次回予告では「見放された人々」という意味があることが語られていますが、山田少年がその意味も込めて「INVISIBLE」と名乗っていたのだとしたら、そこにはどんな意図があるのか? 右京さんと山田少年の「頭脳戦」の決着はどうなるのか、特命係はこれ以上の事件を防げるのか?

予告編にも気になるワードやカットがたくさんあり、次回どうなるのかが非常に楽しみです!



考察メモ

 ​1.事件について

市長宅に送られた小包が「二個」だった理由

→爆弾は二個送られた? あるいはどちらか一つにだけ爆弾が入っていた?


市長宅に送られた爆弾と牧野宅に送られた爆弾の仕組み、二つの事件の顛末が異なる理由

→市長宅に送られた爆弾はガソリンが仕込まれていた=最初から火災を起こすのが目的だった? 市長の妻と家政婦に電話をかけて二人を逃したのも彼女たちを巻き込むつもりがなかったから? 

→牧野宅に爆弾が送られた時には電話をかけていない(これにより牧野は逃げられず重傷を負った)。牧野のことは最初から殺すつもりだった?(しかし爆弾には殺傷力を高めるための金属片は仕込まれていなかった。爆弾そのもので殺せなくても火災で殺すつもりだった?)


本城がどこかのゴミ捨て場に設置してきた三個目の爆弾

→これまでと異なり特定の誰かを狙ったものではない。何のために置いたのか?

→次回予告では城北中央署の敷地内で爆発が発生した様子が描かれている。城北中央署の敷地にあるゴミ捨て場に爆弾が設置された?

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 ​2.事件の関係者について

「山田」少年の名前

→「山田なんて名前はゴロゴロいますからね」(薫のセリフ)

→市長一家と苗字が同じなのも意味がありそう。


牧野が城北中央署から民間警備会社に移った理由

→「署長も牧野のことなんかとっくに忘れている」(那須野のセリフ) 

→辞めたのは「宮仕えが合わなかったから」だというが本当にそれだけなのか?

→牧野が病院で伊丹達から事情聴取を受けていた時、恨まれている相手は?」と尋ねられた瞬間に具合が悪くなり聴取は中断となるが、この時具合が悪くなったのは牧野の演技だったことが示唆されている。警察官時代に何か恨みをかうようなことをしていた?(その恨みをかった相手が山田少年あるいは本城?)


牧野が巻き込まれた爆弾事件のニュースを見て驚いていた男性は誰なのか。牧野を知っている人物?

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 ​3.その他

山田少年が「杉下右京」の名前を使って爆弾を送った理由

→右京は「自分を事件に関わらせるため」ではないかと考えている


本城と山田少年が出会った経緯


山田少年が右京に作った「借り」とは何なのか


城北警察署に来た本城がトイレで鞄から出した物

→山田少年が作っていた改造銃。何に/誰にどう使われるのかはまだ不明だが、山田少年のモノローグで一番最後に使われる(「この事件は改造銃で幕を閉じる」)ことが明かされている。


⑤予告編にある「新人警察官の不審死

→恐らく次回の鍵になるワード。牧野が警察を辞めた理由にも関わってくる?