金牛宮 20.愛もまた一つの比喩に過ぎない

―5月20日―

「愛」という言葉は、何かの比喩だ。
私がネペレーさんに会った時に抱いた感情が「愛」だというなら、それはどういう「愛」なのだろう。
恋愛の「愛」ではない。慈愛ともまた違う。
私は母親の様な彼女と会うたびに、母親と話しているように思えて深い安らぎを得た。
「もう一人の母」として、彼女を愛したのだ。
けれど、愛もまた一つの比喩に過ぎない。
本当は、私が彼女に抱いた感情は、「愛」よりもっと深い物だったのかもしれない。

――どうにも説明がつかない。そういう「愛」もあるものだ。


作業中BGM:ATOLS feat AI「アイ」