アニメ版「スターダストクルセイダース」第16話を見ました。
DIOのスタンド能力の手掛かりとしてエンヤ婆を捕えた承太郎達は旅を再開し、パキスタン最大の都市カラチに向かう。しかし、そこには既にDIOが放った新たな刺客が待ち受けていた。
新たな刺客・鋼入りのダンは自らのスタンドを「最弱のスタンド」と称する奇妙な男。しかし、彼のスタンドはある厄介な特徴を持っていた…


「ジョジョ」に登場する数多くの敵キャラクターの中でも指折りの卑劣な敵キャラクター・鋼入りのダンが登場するエピソード。このエピソードは読んでいてハラハラさせられました。

まずはカラチに入った後、ジョセフがドネルケバブの屋台で値切り交渉をする明るい場面からスタート。原作では文字で丁寧に解説されていましたが、アニメではナレーションとジョセフとケバブ売りのセリフでスピード感&迫力満載の場面になっていました。
テンション高めの大川さんのナレーションと、日本のセリのようなジョセフとケバブ売りの値切り合戦が滅茶面白かった。

しかし、そんな楽しい雰囲気もつかの間、エンヤ婆が目覚めてから雰囲気は一変。
目覚めたエンヤ婆は突然ケバブ売りの男を見て「なぜお前がここにいる、わしはDIO様の秘密など喋っていない!」と怯えはじめます。
そしてその直後、肉の芽の触手がエンヤ婆の顔を突き破る場面は規制一切なしのショッキングな場面となっていました。ここは見ていてゾッとなりました。原作と違い、アニメ版の方は動きがついている分痛々しさと恐ろしさが倍になっていて…。
それでもDIOの秘密を守り通したエンヤ婆の執念とも呼べる最後の意地は凄かった。この場面の鈴木れい子さんの演技も迫力があって凄かったなあ…。

驚く承太郎達の前で正体を現すケバブ売り。彼の正体は、DIOがエンヤ婆の口を封じるために放った新たな刺客「鋼入りのダン」でした。
この男、見た目は物腰穏やかな人物ですが、その内面は「ジョジョ」に登場する悪役の中でも屈指の「ゲス」。「自分より弱いものを徹底的に踏みつけにする」という、後のアレッシーの原型とも呼べる悪役です。

彼のスタンド・ラバーズによってジョセフが人質にされてしまい、承太郎達はダンに手出しができない状態に。更に、あまりの卑劣なやり方に激怒した承太郎はダンに掴みかかろうとして花京院に止められ、逆にダンから殴られてしまいます。
その様子を見て大きなショックを受けるジョセフ…。
ここは見ていて辛い場面でした。祖父を人質に取る卑劣なやり方に激昂する承太郎。その理由は花京院線を思い返せばわかるのですが…まさか怒りで冷静さを失う承太郎の姿を見ることになるとは思いもよりませんでした。
また、今まで敵に苦戦することはあっても必ず力技で切り抜けて来た承太郎が初めて力ではどうにもならない状況に追い込まれ、敵から一方的に攻撃されてしまうという最も追い込まれる展開に「これからどうなるんだ!?」と見ているこちらも焦りを隠しきれませんでした。
ちなみに、この時ジョセフのセリフの中で「若い時心臓に毒薬を埋め込まれたことがあったが…」という部分がありますが、これは第2部でワムウに死のウエディングリングを埋め込まれた時のこと。過去の部の出来事がこうしてチラッとでも出てくるのはちょっとうれしいですね。

ダンに手出しできない状態になってしまった一同ですが、ジョセフ達だって黙ってはいません。花京院とポルナレフを連れて遠く離れた電気屋の前まで逃げて来たジョセフはハーミットパープルで脳の中を透視し、花京院達はスタンドを小さくして脳に入ってラバーズを追い出すという作戦を展開します。
この「小さくなったスタンドが脳に入る」展開も意外かつ面白かったですね。逃げる直前に花京院とジョセフが目くばせする描写があったことから、花京院はあの時点でこの作戦を思いついていたのかも。

一方、離れた場所にいた承太郎は手出しができないためダンの言いなりにされ、散々痛めつけられてしまいます。
痛めつけられながらも祖父を助けるため、必死に耐える承太郎…橋代わりにされるところは見ていて辛かった。歯ぎしりして怒りをこらえている承太郎の表情が辛くて辛くて…。


次回はダン戦後半部。承太郎達はダンに打ち勝つことができるのか?
あの伝説の「三ページ半オラオララッシュ」も次回登場します。ここがアニメ版でどんな風になるかが楽しみ。
次回も目が離せません!