ちょっとしたメモ。
「ジョジョの奇妙な冒険」第5部の登場人物・ディアボロに関するちょっとした考察です。
第5部のネタバレが含まれますので、ご注意を。


<1.キャラクターのモチーフ>
1.カイザー・ソゼ
映画「ユージュアル・サスペクツ」の登場人物。
誰も正体を知らないという大物ギャングで、謎めいた人物。
作中で姿が登場するが、その容姿は「長髪の男性」。
正体が分からないという点も、「自分の正体を決して明かさない」人物だったディアボロと共通している。

2.グラムロック
1970年代のイギリスで流行したロックの様式。
派手な化粧をした男性歌手が歌うのが主流だった。
ディアボロもグラムロックの歌手のように「髪を長く伸ばし、口紅をつけた」容姿をしている。
ちなみにグラムロック歌手の代表格であるボーイ・ジョージはディアボロと同様に「長髪で口紅をつけている」。

<2.考察>
1.なぜ二重人格になったのか
作中でポルナレフはディアボロが二重人格者だと説明する際に、二重人格について「人の精神は幼少の時に受けた衝撃などが原因で「心」に亀裂が入り、その部分が成長するのに従って別の人格になっていく」と話しているが、これは「解離性同一症(旧名:解離性同一性障害・DIDとも)」と呼ばれるもの。
解離性同一性は幼少時に大きな精神的苦痛やストレスから逃れようと解離(心の働きの一つで、精神的な苦痛やショックから逃れようとする働き)を起こした結果別の人格ができるというもの。その原因となる「精神的苦痛」には「親からの虐待」によるものが多いという。
ここから考えると、ディアボロは幼少時に親(育ての親)から虐待されていたのではないかとも考えられる。

2.本当の主人格はどっち?
作中ではディアボロが「主人格」、ドッピオが「交代人格」だとされているが、ディアボロの過去によると少年時代の彼はドッピオのような「臆病でどんくさい」人物だったという。
そこから考えると、少年時代のディアボロのように「臆病でどんくさい」性格のドッピオが本当の主人格で、ディアボロこそが交代人格だったという考察もできる。
ちなみに解離性同一症で出来る交代人格には「主人格が危機的状況に陥ると現れ、凄まじい力を発揮して主人格を守ろうとする人格」があるという。
作中でディアボロがドッピオと交代したタイミングをよく見ると…

3.KING CRIMSONの曲との関係
KING CRIMSONの曲「Peace―an end」の歌詞の中に、こんな一節がある。
「Searching for me
You look everywhere
Except beside you
Searching for you
You look everywhere
But not beside you」
(私を求めて
あなたはあちらこちらを捜すけど
自分のそばだけは見忘れている
あなた自身を求めて
あなたは至る所を捜すけど
自分の内面は見忘れている)

ドッピオが自分とディアボロが同一人物であることに気付かなかったことを思わせるような、そうでないような…
ちなみにこの詞はディアボロとドッピオに重ね合わせると「ディアボロの視点からドッピオを見ている」ようにも見える。


歌詞引用元:クリムゾン和訳ホーム