カズトトロ、最近よくウソをつく。
ウソというより、ごまかしかな?
たとえば、夜11時以降は家の外に出ないっていう決まりがわが家にはある。
どうしても、カズトトロ的症候群には、「ウロウロする」というものがあって、
ちょっと「徘徊」にも似てるのかもしれないような、そんな症状みたいなものがある。
一箇所にじっとする
という行為は結構集中力がいる。
カズトトロはそれがちょっぴり苦手。
特に寝る前は、何かの調整なのかな?カズトトロは急にそわそわし始める。
部屋に入る。ベッドに潜る。突然起きてドアを開け、廊下をどっしんどっしん行進する。
カズトトロ独りなのに、なぜかわたしは「行軍」のような気がする。
何かを引き連れて行進している、そんな感じ。
それほど足音には迫力があり、存在感からの圧迫すら感じる。
「あ、始まったぞ、行進が」
軽く突っ込みを入れてみるけど、カズトトロはちょっと違う世界にチューニングしているようだ。
わたしの声が何パーセントしか届いていない様子。
以前、カズトトロが怪獣だったころは、
この時間になると人格が変化して、急に走り屋になっていた。
真夜中の危険なドライブに出かけるのだ。
何度止めても、懇願しても、泣いて訴えても、怪獣カズーには聞こえない。
お薬を飲んだ状態で、しかも、頭のスイッチが「ヤクザ」にチューニングされてる怪獣カズー。
そのお話はまた後日詳しく書くとして、
ま、そういう世界に入っちゃっていたということね。
その癖はやっぱり今も消えない。
お医者様に「車の運転は絶対ダメ!」と言われているのと、
「それを破ったら、110番して国家権力を総動員するぞ!」というわたしの脅しで、
車の運転はしないでいる。
(でも、車のキーはわたしの部屋においてある)
自分も「事故すると誰かを殺すかも」という思いがあって自制している。
で、ウロウロする。
ある程度は自由にしてもらおうって思うけど、何か枠は決めたほうがいい。
だから11時以降はなるべく外出禁止。
やっぱね、ひっそりと寝静まった住宅街を、ちょっとだけ焦点の合わない、
でっかいおっさんがよろよろ徘徊してたら、
今のご時勢悲しいかな「危ないおっさん」のレッテルも貼られかねない。
たまーに、思い出し笑いにしては笑いすぎやろう?っていうぐらい
大声で大爆笑してたりもするので、拍車がつくかもしれない。
ま、そんな話を直接カズトトロにもして、なるべくウロウロしないでいようにねって約束している。
でも、守れない。
ちょっと台所でお茶汲んでくると言い訳し、外へ出る。
約束とか決まりは破るためにあるようなものだから、仕方ないっちゃー仕方ない。
だけど、放置っちゅーわけにもいかない。
ううむ・・・。
お!こうしよう。
ガチャリ。
わたしは裏口の鍵を閉めた。
カズトトロ、戻ってくる。
開かない裏口。
慌て困惑するカズトトロ。
開かないドアをガチャガチャやってる。
わたしは鍵を開けた。
ばつの悪い表情のカズトトロ。
「出ないって約束したじゃないか!」
「ごめんなさい」
だけど、ここまで。これ以上は言っちゃダメ。
瞬間の勝負。
瞬間的教育的指導!!
これを何度か繰り返して、学習してもらう。
だって、カズトトロはもうすでに違う次元へチューニングを変えているから。
もう「徘徊」のチューニングじゃないのだ。
その場で叱らないと、もう意味はない。
ちっちゃい子どもを叱るときと同じで、そのとき言わないとわからない。
動物的なのだ。
「どうしてこんなことしたの?」とか
「わたしがどれほどいつもあなたのことを心配してるかわかってるの?」とか
「何回言わせれば気が済むの!」とか
「あなたは、何度言ってもわたしの気持ちなんかわかってくれないのよね!」とか
そういうの、意味がない。全く効かない。
これ、結構辛い。
わたしがぶれると、思いも心も届かない。
でも、ぶれるもん。いろんな思いが交錯するもん。
でも、カズトトロに瞬間的教育的指導するときには、このぶれ、邪魔。
わたし、部屋にとじこもって泣きました。
どうしてわたしの想いが通じないのかな?どうして何度言ってもわからないのかな?
わたしのやってることには意味があるのかな?
えーんえーん。
隣からは、テレビを見て笑ってるカズトトロの声が聞こえてきます。
わたしは余計に悲しくなってきました。
えーんえーん。
わたしのやることなんか全部無駄なんだー!
どうせろくな結果にはならないんだー!
もうダメぇぇぇぇぇ!!
えーんえーん。
(内輪通信入れます。ヒトラーねーさん、昨日は元型つぶし屋の大宴会でした!)
泣くだけないて、わたしは寝ました。
目覚め、よかったです。
カズトトロは眠っています。
静かな寝息をたてながら。