G1レース等は多くの人が予想しているので分かりやすいという一面はあります。しかし、G1レースを当てて自慢になるかと言えば、他人に喧伝する事自体が不必要な事です。ましてや16頭や18頭立てのレースで当てる等は無理があります。

 午後の小頭数のレースで、軸がしっかりしていて対抗馬も分かっているなら3連単を当てるのは無理がありません。大きく稼ぐには配当のいい券種を扱うのは当然の事です。

一か月の給与を得るには1カ月の内何10日か働く必要があります。わずか20万円や30万円稼ぐ事も簡単ではないでしょう。それを競馬では、わずか数時間の労力で100万円、200万円稼げるとすれば、これはただ事ではありません。

 しかし、どんなプロだって誰に対しても、それだけの実入りを約束出来る訳ではありません。だから、稼がせてもらえないからと言って文句を言ったりするのは筋違いな話です。

 稼げるのは偶然に過ぎず、誰も構えて数十万円、数百万円のお金を自在に入手出来るとは思えないものです。必ず勝てるという必勝法を否定する立場の人が多いでしょう。

 さて、本著では必ず勝てるという法則的な取り組みを紹介しています。そのロジックの検証には、いささか難解に思われるプログラムを理解する必要があります。

 しかし、ここで問題にするのは他の障がいについてです。どうすれば勝てるか分かっていても、尚克服すべき様々な問題があります。

1 正当な理由

 一つは、果たしてお金を得る為の動機は如何にあるべきかという問題です。お金は欲しい、欲しいから獲りに行くのだ。そういうものではないと考えられます。欲望丸出しでは、たとえ大金を得ても無くすのは早いでしょう。自分が大金をいとも簡単に得てもいいという正当な理由が欲しいのです。自分の為ではない、むしろ他人の為に世の中の為にする行為であって欲しいのです。

 著者は著書の宣伝の為であり、ひいては著作を読んで賛同して頂ける人の為という事が考えられました。邪悪かつ姑息な動機ではない為に、大きく稼ぐ事が可能になるのです。

 

2 勝負とは何か

 たとえ万馬券でも小さく勝負して程々に稼ぐという事には、あまり意味がありません。勝負する回数を増やしたところで、徒労でしかないのです。

 問題は確信の度合いの強さであって、強い確信があってこそ大きく勝負する事が可能になります。勝つ時は、できるだけ大きく勝つ事が理想的であって、そうであってこそ次は多少負ける事も許されます。