まずは装備を整えよう。

適当な学生時代を送ってしまったばかりに、社会人になってからの約10年間に独自に学んだ「私の装備」。パソコンだ。

もともと工業高校だったことが幸いし、パソコンの基本構造のようなものからプログラミングのフローチャート、ソースを描いた記憶が手伝って仕事に取り入れるのにさほどの苦労は無かった。しかし、問題はソフトウエア。マイクロソフトの「OFFICE」は、それこそ学生時代に触ったような気がしてすんなり覚えることが出来たが、アドビのイラストレーター、フォトショップ、そしてゴーライブ(今はドリームウィーバー)などのデザイン編集ソフトはとても苦労した。そもそも、アドビ関連のソフトウエアを覚えなければならなかった原因が長野県での前職にある。「Tシャツにこのデザインを入れたい」「カタログを創りたい」「雑誌社と広告ページを創らなければ」と外部依頼を行うも、どれもコチラの期待する結果にならなかったのだ。100年前の紙の風合いを再現する、歪んだ文字デザインを再現する、ヴィンテージのような風合いやアジを再現する…外部デザイナーの方へこのような注文を出すも納得する結果には遠かった。だが、今思い返すと「無理難題な依頼だった」ととても反省するし、先方は大変苦労したことだろうと察しさえする。「つくれること」と「知っていること」「それをカタチに出来ること」は「全て違う能力だ」と気が付かされたのは「ソフトウエアを覚えた後のこと」だった。流れから言ってそうとなれば覚えるしかない!となるわけだ。

このアドビのソフトウエアは、前社のパソコンにインストールはされていたもののしっかり扱えるスタッフがいなかったため、独学で覚えることにした。イラストレーター、フォトショップと書かれた辞書程の分厚い教育本を片手に、一つ一つ機能とショートカット操作を覚えていく。進んでいくうちに「今は必要ない」という機能が分かり始め、結局数か月も掛かり独学で取得した結果は「パソコンは私の装備」と化してくれた。

 

書面も計算もグラフも、チラシも画像もホームページも、管理も全てを共にこなしてくれる私の装備は必要不可欠なのだ。会社を創ろうと決意して、まずは「私の装備」を整えなければ…

 

飲食バイトを約2カ月休みなく出勤し、その給与全てを注ぎ込んだ。パソコンおよそ30万円、中古ソフトウエア8万円、その時のハイスペック 大容量ノートパソコンを手にした。

欲しいものは現在のバイトで稼ぎ手に入れる!この仕組みが出来上がった瞬間。

 

先ずは会社設立のための第一歩目前進。

 

同じく27歳 村松隼人 2005年1月頃

 

 

※画像は購入したパソコン。現在のものに比べ大きくて重い。