本棚を片付けていたら『はみだしっ子語録』という本が出てきた。
サブタイトルは「さまよう青春のみちしるべ」。
三原順の名作コミック『はみだしっ子』からの名言語録。
果たして今、これを知ってる人ってどれくらいいるのだろう?

私が初めて読んだのは小学校の時だった気がする。
田舎に帰省する際に長時間の電車移動の暇つぶしにKIOSKあたりでなぜかこれを購入。このタイトルと絵柄が小学生の感性のどこにひっかかったんだろう?…と今も不思議でならない。

それが、いったんページを開いてみると暇つぶしどころか難しくて意味がわからない。
普通ならそこで投げ出すはずが、何を言ってるのかわかりたくて何度も何度も読んだ。
なんだかわからないけど魅力的だった。

中学校に上がる頃、主人公であるグレアムやアンジーの年齢に追付いてきたからか、ほんの少しだけ理解できる部分が増えてきたような気がしていたが、それでも話が進むにつれて彼らもオトナになっていくので、またまた中学生にはわからない事が宿題として山積みにされた。

高校生になっても時折ひっぱり出してみると、今度はひとつひとつの言葉が突き刺さって、自分もオトナになってきているんだという気がした。それでも言葉の裏に潜む意味や本意が「そういうことだったのか」と思えたのは二十歳を越えてからだったと思う。

三原順が作中で使っていた引用は実に幅広くて、ロックだったり、SFだったり、映画だったり、詩だったり、諺だったり…その頃知らなかった原典を、オトナになって偶然触れたりすると「そういう意味だったのか~!!」と感心することも今だにある。そして自分が日常的によく使う例え話や引用も結構ココから出典していることにさっき気づきました。マンガであって、マンガでないような文字量の多さ。下手な小説よりも濃密で、「さまよう青春のみちしるべ」というのもおっしゃる通り、もしかしたら人生で最初に大きな影響を受けた本かもしれない(^^;)。

『~語録』の編集者の方のまえがきに、

  読み捨てにできないまんががあります

とあるが、まさにいくつになっても、何十年たっても、痛いところを突かれるのが、この『はみだしっ子』。うちにあるものはもうすっかり色も変わってしまっている年代ものだけど、一緒にこのまま余生を送ります(笑)。



著者: 三原 順
タイトル: はみだしっ子〈全集〉 (第1巻)