潮騒のあふれる海岸に 私はひとり たたずむ
入社して2年。仕事にも何とか慣れてきて、思い起こすことが
山積していて、独りになりたかった タイミング。
波の寄せては引く音に耳を傾けていると、
なんだか とてつもなく、心が落ち着く。
近くの 店で奮発して買った 白いビキニを纏い、
日焼け止めを 塗りたくってきたはずだったが、
長い時間、こうしていたせいで、日焼けしてしまって、
白と小麦のいい具合のコントラストになってしまっているのを知って
ちょっとショックを受ける。
それでも、照り付ける 強い日差しと
吹いてくる 潮風が いい感じでブレンドされて、
心なしか 気持ちよかった。
思えば何のために働いているのだろう・・
とてつもない 疑問に堕ちる。
一生懸命に勉強して、
生活するために、傍らでバイトして
なんとか卒業した4年間。
だけど、そのあと、また入社でヒドイ目にあって、そして、また、荒波がまっている。
今いる海みたいに穏やかな波に揺られることはできないものか?
私はふと、体を起こす。そして思いっきり伸びる。
やむを得ないか。今日一日生きなくてはならないのだから。
でも、むかつく!なんで私ばっかりが・・・
そう、心のなかでつぶやいた、そのときだった
そこまでいって、私は背後に広大なツバサの音をきいた。
「え・・・!?」
ほどなく、 私は 黒いツバサと 合体する。
意識は黒き飛翔をとげ
世界は錆色(にびいろ)にそまる。
私の唇には憎しみの笑みひとつ・・・
<<この詩 詠んでみませんか?>>