Pixel 共優性モルフ(Co Dominant Morph)
Pixel
Granite TypeのMorphでSuper Formが確認されている
Pixelについてまとめていきたいと思います。
Pixelは2008年にKINOVA/Justin Kobylka がOutback Reptiles から
CH(Captive Hatched)の写真を入手し
その中から興味深い個体を選定し十数匹手に入れました。
この中の2匹はGranite表現が強く出ており
♂をJ1、♀をJ2と名付けました。
J2は特にGranite Patternが秀逸で気に入っていたそうです。
J2は餌食いがあまり良くなく、初めて産卵するまでに6年かかりました。
世界トップクラスのブリーダーでもここまで苦戦する事が
ある事を考えると、やはり生き物相手の計画は難しい事を再度考えさせられます。
そして2014年にしっかり体格がついてきたJ2をSuperfly GHIの♂と交配させます。
↑Superfly GHI ♂ × J2 ♀
少し分かりづらいですがPixel特有のGranite表現が遺伝している事が分かります。
GHIの血統によってはGranite表現が出る事もあるので
これだけを見てPixelが入っているかを判断するには
親のGHIがGranite表現の出ない血統である事が推測されます。
こうして2014年に遺伝性が確認されたため
Morphとして確立されました。
その後も様々な♂と交配させPixel ComboをBreedしていく事になります。
2014年 Superfly GHI × J2
2015年 OD YB × J2
2016年 Mahogany Pied × J2
2018年 Fire RS YB × J2
2019年 RS J2 × J2
2020年 RS YB J2 × J2
2020年のClutchでは初めてSuper J2が確認されたため
共優性Morphである事が分かりました。
Super Formが確認されるまでに10年近くの月日が経っている事を考えると
New Morphの確立は本当に時間と運が必要な事が分かります。
Morphとして確立されたためJustin はJ2にPixelという名前を付けました。
理由はやはりPixel柄のSideのGranite表現から取ったそうです。
今後はPixelと劣性MorphのComboがどんどん出てくる事が予想され
その中でもClownとのComboは数多く作出されていくと思います。
既に出ているComboをいくつか紹介していきたいと思います。
↑YB Pixel het Pied
YBが入る事によって色が濃くなるとともにエグミのある色合いが出ています。
Piedになった時にどのくらい柄の中のPatternが乱れてくれるのかが楽しみな個体です。
Pixelの様なPatten MorphのPiedはやはりLow Piedの白い部分の面積が少ない
表現を期待してしまいます。
↑Fire Pixel 50% het GS
Hypo作用のあるFireとのComboです。
先程のYB Pixel het Piedと比べると色抜けが分かりやすいと思いますが
この個体もYBが入っているのではないかと思うような
お腹側の乱れとSideのGranite表現が秀逸です。
もしGSの遺伝子が入っていたとすると
GSとPixelがComboになった時の
表現でどちらが勝つのか気になる人も多いのではないでしょうか。
↑RS Mahogany Mojave Pixel 50% het GS
個人的に好きな優性Morphが多く入ったComboで表現が好きな個体です。
PixelはDark Morphと掛け合わせてみたくなる為
この様な個体はとても参考になります。
判別が少し難しいですがBlackpotion aka Mahogany Mojaveに
Pixelが入る事によってSideのPatternが乱れながら縮小しています。
RSは若干の赤みが出ているのかは実物を見てみないと写真からは分かりませんが
途切れながら丸くなる背中のStripeはRSの特徴がしっかり出ていると思います。
↑Pastel Confusion Pixel 50% het GS
Pattern MorphのConfusionとPixelの相性は抜群で
大きいスポットと小さいスポットの乱れが出るConfusionをPixelが更に乱しつつ
SideのPatternはしっかりとGranite表現が負けずに存在感を出しています。
そこにPastelが入って明るくなりつつ黒色はしっかり出ている為
Contrastがしっかりと効いています。
LeopardやSpotnoseを入れて更に乱れた姿を見てみたくなります。
↑Fire RS YB Super Pixel
背中に存在感のあるStripeが印象的な個体で
うっすらと浮かぶSideのPixel Patternが渋さを演出しています。
RS特有の赤褐色がしっかり出ており
Super Pixelである事が納得できるSideのGranite Patternが最高です。
PixelのBreedを開始してからすぐにRSやFire,YB等と掛け合わせをしていた
Justin のセンスは間違っていなかった事がこの個体を見て
納得するとともに世界トップクラスのBreederから見習う事が
まだまだ沢山あると感じました。
今回はPixelについてまとめていきましたが
PixelはVudooと祖先が同じ可能性があります。
Vudooも同じくOutback Reptiles のCHからGranite表現の強い個体を購入し
Morphとして確立しました。
この事から同じMorphである可能性がありますが
遺伝子検査等を進めているのかは分かりません。
Graniteは数多くのMorphが出回っており
優性、共優性とLineによって違う為
しっかりと把握していく必要があります。
今後は劣性Morphを絡めたComboが多く作出されていくと思うので
どんな凄まじい表現をした個体が出てくるのか楽しみです。
δ7Ballpython
画像引用 KINOVA