Clown 劣性モルフ(Recessive Morph)

 

 

Clown

 

世界的なBallpythonの流れとして、

新たなに確立されたMorphは

まずClownと掛け合わるという風潮があります。

 

それは何故かというとClownはComboになった時に

相手のMorphの特徴を存分に引き出しつつ

Clownの存在感もしっかり残る為

他のComboでは出せない表現が生まれるからです。

 

どうしても2.3重Comboになってくると

特徴としてあまり表現されないMorphが出てきてしまいます。

 

しかし、ClownとのComboではそれぞれの特徴が

しっかりと目に見えて分かる事が多く

Singleでは地味なMorphでもClownとComboになる事で

大化けする事がとても多いです。

 

今回はClownとのComboでかなり化ける掛け合わせも

多数紹介していく予定です。

 

そんなClownの背景を遡ってみると

GhanaのNoahで初めて♂のClownが発見され、

その後Tracy and David Barker/VPI に輸出されました。

 

そして1999年に劣性遺伝である事が確立され

Clownという名前が付けられました。

Clownとは「ピエロ」という意味になります。

 

何故この様な名前が付けられたのかと言うと

Ghanaから送られてきた最初の1匹のClownの眼の下に

ピエロの様な涙状の黒い雫マークがあった事から名付けられました。

 

日本では王冠というイメージを持つ方もいると思いますが

その場合はCrownであり、

Ballpython Morphにおける正式名はClownなので

「ピエロ」が正しい意味合いになります。

 

最初の1匹にピエロの様な涙状の黒い雫マークがあったから

名付けられただけであり、100%遺伝する訳ではありません。

むしろこの様なマークが眼の下に出てくる方が

確率的には低いので誤って認識しない事を願います。

 

SingleのClownだけでもかなり個体差があり

柄が少ないリデュースタイプ

ブロッチが多いジャングルタイプ

黒が強いメラニスティックタイプと様々です。

 

Clownの顔は他のMorphには無い厳ついインパクトがあり

多重Comboになっても1発で入っている事が分かるぐらい

表現に出てきます。

 

 

↑Clown Face

 

NormalのBallpythonの顔つきとはかけ離れた

この厳つい眼が個人的に大好きで

Comboによっては頭の模様が完全になくなり

可愛くなる事もある表現の幅が広いMorphです。

 

世界的に注目されるComboはClownが掛け合わされている事が多く

Morphとしての表現の幅、独自性、鑑賞性、複対立遺伝性など

活躍の幅も広くClownのおかげで

Ballpythonの発展が進んだと言っても過言ではない程

貢献しているMorphだと思います。

 

次にClown複対立遺伝をするMorphについて

触れていきたいと思います。

 

2022年現在、確認されているMorphではCryptic.Amur.Gizmoが挙げられます。

まず劣性モルフにおける複対立遺伝とは

Double hetの状態で表現が表に現れる関係性の事を指します。

 

Crypticを例に挙げると

het Cryptic het Clownの状態はCryptonとなり特徴が表現に出てきます。

 

 

↑Crypton het Pied

 

この個体はhet Piedも入っている為、

言い換えるとTriple het Clown Cryptic Piedとなります。

この場合、表現としてはNormalになるはずですが

Cryptonは表現に現れます。

CryptonCrypticは表現がかなり近い為

見分ける事が困難な場合いが多いです。

 

その為、Cryptonを掛け合わせる時は

相手にClownを用いた方が良いです。

 

その理由はCrypton×Clownの場合は

Crypton or Clownしか出て来ない為、

判別が容易に行えるからです。

 

もしCrypton×Crypticで掛け合わせを行うと

Crypton or Crypticが生まれてくる為

判別がつかない事がほとんどです。

 

上記の事と同じ事がAmurでも起こります。

明確な提言はされていませんがCrypticAmur

同じMorphであるとされています。

 

実際に写真を見比べてみると

表現の差はほとんどないと感じます。

 

 

↑Cryptic

 

 

↑Amur

 

色の明暗の差は写真の撮り方によるものなので

PattenやColorがほとんど同じである事から

やはり同Morphである可能性が高いです。

 

CrypticAmurの特徴はHGWの様な縦方向のPatternに

EnchiPuzzleの様な太いEye Lineです。

これからCrypticAmurの面白いComboが沢山出てくるので

とても楽しみなMorphです。

 

そしてClownは長い間世界中のBreederの元で

沢山のComboが作出されてきました。

その中で別名が付いているComboを紹介していきたいと思います。

 

Batman aka Leopard SN Clown

Scarecrow aka Banana Leopard SN Clown

Grail aka Lavender Albino Clown

Holy Grail aka  Lavender Albino Clown Pied

Pompeii aka SN RS BP YB Clown

Kraken aka GHI Mojave Wookie BP RS YB Clown

Kiki aka GS Clown

Dark Knight aka Chocolate SN Clown

Magma aka RS Clown

The Black Panther aka Super BH Leopard Clown

Riddler aka Pastel Acid SN Clown

 

有名なComboはここら辺の名前が出てくると思います。

振り幅がかなり大きく可愛いComboから

厳ついComboまで多岐に渡る変化をしてくれて

尚且つ相手のMorphの良い部分をしっかりと引き出す最高のMorphです。

 

ここからは個人的に好きな

Clown Comboを紹介していきたいと思います。

 

 

↑Banana Enchi Clown

 

昔から人気の高いComboです。

BananaClownをComboにするなら

ここを1つの目標に設定する事も多いと思います。

Enchiが入る事によりSideのPatternが消失気味になり

背中のStripeは濃いオレンジが発色されます。

 

Eye Lineも太くなりそこから体のSideに繋がっていく様は

見ていて気持ちが良いです。

 

Cinnamon/BlackPastelを加えると更に

濃いオレンジ色が出てくる為、

おすすめの掛け合わせとなっています。

 

 

↑Soul Sucker Clown aka Lesser HGW Clown

 

基本的にはDark Clown Comboが好きなのですが

Soul Sucker Clownがここまで綺麗だとは思っておらず

衝撃を受けたのを覚えています。

淡いミルクティーの様な色合いに

控えめなSideの模様が可愛さを掻き立てている気がします。

個人的にはBananaを加えたいです。

 

 

↑Super Blade Clown

 

BladeClownと関係性のあるMorphで

元々BHB Clownに付随していたMorphです。

Super体はBHB ではなく

EbN(Exotics by Nature) MJ(Markus Jayne) が証明しました。

 

そんなSuper BladeのComboです。

BladeはリデュースタイプのMorphで柄をすっきりさせる効果があります。

Sideの模様はほとんど消失しStripeは少し太めで途切れています。

ここにPinstripeを加えると更にリデュースが加速します。

 

 

↑Stranger Clown

 

2022年現在、最も熱い優性Morphであると

感じているStrangerとのComboです。

優性MorphとのComboでここまでClownを変化させて

カッコよく厳つくできるMorphはStrangerが1番だと感じています。

 

頭は茶色く色抜けしてPatternは黒が強い発色をしながら

乱れてお腹側に沈んでいく模様が特徴的です。

 

GHILeopardといった黒が強く乱れたPatternが人気のMorphは

何故かClownとComboになると思い描いた乱れた表現が出ませんが

StrangerとのComboは思い描いていた以上の表現になってくれる為

個人的に大好きな掛け合わせになっています。

 

日本でもStranger Clown+αのComboが誕生して

益々、人気が上がっていくと思います。

 

 

↑Cinnamon Dark Knight aka Cinnamon Chocolate SN Clown

 

ここまで逸脱した表現は中々いません。

暗色部の色が白と言うよりは銀色がかっています。

Back Lineも透き通った黒の発色が出ており

Axanの雰囲気を感じます。

 

顔も体色に負けない厳つい見た目になっており

眼の上半分が銀色になっておりCinnamonの特徴がしっかり出ています。

 

Chocolate.Spotnoseの評価がどんどん上がってきている中で

やはりClownとのComboでここまでカッコよくなる事から

Dark Knight Comboがどんどん作出されていくと思います。

 

ChocolateのSideの模様が真っすぐお腹に向かって伸びていく

表現が大好きでこの個体もしっかりと出ています。

 

 

↑Hurricane Clown

 

Sideの柄が細かくなりつつ大きな乱れも出てくるのが

特徴のHurricaneとのComboになります。

ClownとのComboでは深い色合いの黒色がBack Lineに現れ

SideのPatternが窮屈そうに並びます。

YB等が入るとSideの模様が繋がる事が多いです。

 

顔にも少しだけ模様が残るのが特徴的で

ClownはComboによっては頭の柄が出ない事が多いですが

Hurricane Clownは後頭部周辺に柄が出てくる事がほとんどです。

 

Hurricane ClownのPatternが大好きで狭い面積に

陳列している栓抜き柄が多ければ多いほど好みのPatternです。

 

 

↑Batman aka Leopard SN Clown

 

このBlogでは何回も出てきているComboですね。

Batmanの名前に負けないぐらいImpactのある見た目で

ここからSpotnoseの人気が爆発したと言っても過言ではありません。

 

Leopard ClownではSideの模様が消失気味になり

黒いSpotが少し出てくるだけの事が多いですが

Sponoseが入る事によりSideの模様がランダムに表れ

栓抜き柄や宇宙人模様が出て来ないのが特徴的です。

 

お腹もかなり乱れ黒いSpotがお腹全体に現れます。

登場から数年経ちますが人気は落ちず

自分でBatmanを作出しようと奮起している方が多い印象です。

 

 

↑Cypress Clown

 

CypressはSingleで大きなImpactがあるMorphではありませんが

Comboで大化けする能力を持っています。

その中でもClownとの相性は抜群でここまで大きな変化をもたらしてくれます。

 

頭ががっつりと茶色く色抜けし檜色に輝きます。

背中の暗色部にもうっすらと檜色が表現され

SideのPatternは大きな栓抜き柄が濃く反映されることで

Contrastが効いています。

 

GHIが更にComboになると黒さが増し、

SingleのGHIのPatternに近づきます。

GHI Clownは何故かClownとComboになると

うずうずしいPatternが表現されず

背中を跨いで勾玉模様が乱れる事がほとんどありません。

 

ですがCypressが絡むとしっかりBack Lineを跨いで

柄が背中を横断します。

1つの完成形のComboだと感じています。

 

 

↑Acid Clown

 

Dark&Pattern MorphのAcidとのComboです。

先ほど載せたStranger ClownHurricane Clownとは

また違った乱れ方をしています。

Acid Clownは大きなSpotも小さなSpotも出てくるのが特徴的で

ドット柄も散らばるのが他のClown Comboには無い表現かと思います。

 

Acid/Confusionに近いMorphでLeopardがありますが

ClownとComboになった時の表現は大きく違います。

 

 

↑Leopard Clown

 

Leopard Clownは背中に太いStripeが走り

Sideの模様が少なくなる傾向が強いです。

SingleのLeopardからはあまり想像がつかないすっきりとした

Patternになりますが

Acid Clownは思い描いた通りの乱れたClownになってくれます。

 

お腹の模様も凄まじく乱れており

黒いSpotが満遍なく散りばめられる個体が多いです。

 

 

↑Pompeii aka SN RS BP YB Clown

 

Clown Comboの中で世界的に有名な個体になります。

Top BreederであるKINOVA/Justin Kobylka が作出し、

RSの可能性を大きく広げたComboです。

元々Magma aka RS Clownの更なる可能性に目を付けていた

KINOVA/Justin Kobylka ですがここまで突出した表現が

生まれたのもやはりClownの力が強く、

ここまで多重Comboになると柄が薄れていき

Pattern lessになる事もありますが

しっかりと柄が残り深い赤褐色の色合いが出ています。

 

全く同じMorphでこのComboを作ろうとしても

ハードルが高いですが作出できた時の喜びは大きいと思います。

 

 

↑Kraken aka GHI Mojave Wookie RS BP YB Clown

 

タコの怪物の様な表現をしている事から名付けられたComboになります。

GHI Mojave Clownは顔つきがとても特徴的で

頭の柄が消失し黒眼が大きくなる傾向があります。

目力が強くかなり厳つい印象を抱きました。

そんなGHI Mojave ClownWookie RS BP YBが加わる事で

丸っこい柄が暗いオレンジ色に囲まれながら規則性なく散らばっています。

 

この表現をどこまで狙って掛け合わせたのかは分かりませんが

KINOVA/Justin Kobylka のセンスには毎回驚かされます。

独特なPatternに注目しがちですが

明色部の透き通ったグレー色は模様を残しつつ出せる

色合いではないと思うので

Ballpythonの奥深さを感じる個体です。

 

こんな感じで今回はClownについてまとめていきました。

Clownから派生したMorphは他にもありますが

まだ不確定な要素が多々あるので

はっきりした情報が確定次第まとめようと思います。

 

厳ついComboが多く、世界的に高い人気を誇っているMorphで

市場に出回る数も多いです。

それでも人気なComboには高額な金額が設定される事が多く

多くの人を魅了しています。

 

ClownなくしてここまでBallpython業界が発展する事は

無かったと言えるほど大きな功績をに残しているMorphで

まだまだこれからも新たなClown Comboが生まれ

注目を浴びていく事になると思います。

 

かなり長くなってしまいましたが

今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

 

δ7Ballpython

 

画像引用

 

WOB

KINOVA