Ultramel 劣性モルフ(Recessive Morph)
Ultramel
Ultramelは何年もの間、
Caramelの中で特に綺麗なLineだと考えられていました。
2008年にAfricaのWCのUltramelをCaramelと交配させたところ
全てNormalの個体が生まれてきました。
この事からとても似ている2匹の個体は
別の遺伝子であることが発覚する事になります。
そして、UltramelはCaramelでよく見られるKinked Tail等の
症状が出にくい事から
Caramelより選ばれやすい傾向があります。
勿論、Ultramelだから絶対に出ない訳ではなく
他のMorphでもKinked Tail等の奇形は生まれてくる可能性があります。
UltramelやCaramelの表現体が欲しい場合
奇形を避けてUltramelが選ばれやすいという事です。
Caramelでも何十年間奇形が出ていないLineも
あるのでもし欲しい方は詳しくShopの方に聞いてみるのが良いと思います。
そして、UltramelにもLineがいくつか存在し
E.B.Noah LineとRusso/Crider Lineがあります。
2011年にE.B.Noah Ultramel×het Russo/Crider Lineの個体を
Brock Wagner が掛け合わせたところホモ体は生まれませんでした。
その結果を受けて世界中のBreederは別のMorphであると解釈し
上記の掛け合わせでは交配させることは時間の無駄と考え
避けて交配する事を選び出しました。
時が経ち、2014年にKINOVA/Justin が
♀のRusso/Crider Line個体を繁殖可能サイズまで育て上げ
交配を試みようとした所、
♂の Russo/Crider Line個体を持っていなかったことから
リスクを冒しE.B.Noah LineのMojave Ultramel ♂と掛け合わせました。
その結果、ホモのUltramelが誕生し
E.B.Noah LineとRusso/Crider Lineは
互換性がある事が証明されました。
↑Ultramel Russo/Crider Line ♀
↑Ultramel Clutch
1.2 Mojave Ultramel
1.0 Ultramel
↑Ultramel&Mojave Ultramel
ここ近年の重要な証明の多くをJustin が発表してきましたが
改めて凄さを実感します。
証明するためには数多くのClutchを取らないと分からない事もあります。
しっかりと卵を採り、複数の結果を用いて判断できるBreederは世界的に見ても
少なく世界トップクラスのごく僅かだと思います。
Ballpythonにおいては
世界的にアメリカやヨーロッパがLeading Countryですが
いつか日本も新たな情報を発信できる様になりたいですね。
少し話は逸れましたがUltramelの特徴として
大きく育ちやすいと言われています。
Adultになっても他のMorphよりもよく餌を吸収して
体が大きくなっていくそうです。
メカニズムは分かりませんが
体の機能の一部が発達しているのでしょうか。
他にない特徴で面白いと思います。
割と最近のMorphなので
まだまだ自分でWorld 1stを狙える
Comboが眠っているUltramelですが
既に出ている中で自分が好きな組み合わせを
紹介していこうかと思います。
↑Blackpastel Ultramel
個人的にDark MorphとのComboが好きなのですが
その中でもSimpleでカッコいいと思っています。
マッドな茶色の体色に黒色が乗る事で淡いチョコ色になり、
オレンジのContrastが効いてメリハリがつきます。
顔つきもBlackpastel特有の可愛らしいシュッとしたアヒル口になり
ペットとしてもBreed目線でも最高なComboだと思います。
↑GHI Ultramel
続いてもDark MorphとのComboになります。
勾玉の様な模様が背中を通り越して乱れながら
交わるPatternが特徴のGHI.
そこにUltramelがComboになる事で
渋く深みのある色合いが出てきます。
先程紹介したBlackpastel Ultramelと交配させても
面白い個体が生まれてきますね。
Babyの時はオレンジ色の発色が凄まじいですが
Adultになるにつれて落ち着いていき
マッドで上品な色合いに変化していきます。
Dark Morph+Ultramelは
色の変化も成長過程と共に楽しめるComboだと思います✊
↑Champagne Ultramel
優性モルフのChampagneとのComboになります。
Champagneは個性がかなり強く他のMorphとComboになると
相手のMorphの良さを消してしまう場合がありますが
UltramelとはStripeが浮き上がり可愛らしい色合いになる事が多いです。
どちらのMorphも黄土色の色合いが特徴ですが
合わさると薄くなりPattern less(模様が無くなる事)になります。
優性モルフで劣性モルフのUltramelと互角に
自分の特徴を出すChampagneの強さが伺えるComboですね。
↑Pastel Leopard Ultramel
ここまで3つのMorphの特徴が
分かりやすい個体は中々いないかと思います。
Pastel.LeopardのPatternにUltramelのColorが作用して
想像通りの表現になっています。
Patternが縦方向に乱れているのでここに+でHGWを入れて
更に細かく縦の密度が大きい個体を見てみたいです。
↑Ultramel Tristripe
2重劣性Comboになります。
Pattern MorphのTristripeにColor MorphのUltramelが
Comboになる事でお互いの良さを存分に引き出しあっています。
TristripeもSingleで黒い方なので
Ultramelの色合いが濃くなりこの様なオレンジ色の
発色が強い表現になっていると考えられます。
背中の太いStripeに横2本の細いLineもしっかりと濃い色が出ており
それ以外の箇所はマッドなオレンジ色が出ています。
まだまだUltramelと劣性モルフのComboは少ないですが
その中でもかなり相性が良いと感じています。
Ultramel Comboには他にも別名が付いているものがいくつかあります。
Sunbeam aka Enchi Ultramel
Ultrasnow aka Ultramel Axanthic
Ultra Glow aka Ultramel Ghost
今後Ultramelを使ったComboが増えるにつれて
別名が付いたComboも増えていくと思います。
これから沢山のUltramel Comboが生まれていく事を楽しみにしています。
今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
δ7Ballpython
画像引用
WOB
KINOVA