Albino 劣性モルフ(Recessive Morph)

 

 

Albino

 

見た目のImpactが凄まじく

生き物の神秘的な部分を感じるAlbino.

ここまで神々しい生き物は他にいないと思っています。

 

私がBallpythonを飼育するきっかけになったのは

正しくAlbinoを初めて見た時に感動したからです。

 

今回は個人的に思い入れの強いAlbinoについてまとめていきます。

 

最初のAlbinoは1989年に西アフリカから輸入され、

その個体をBob Clark 劣性遺伝である事を確定させました。

 

詳しく経緯をまとめると1989年にBob Clark はオランダのOlaf Pronk から

AlbinoのBallpythonが発見されたと連絡を受けます。

以前にも野生のAlbinoが発見された噂を耳にしたことがありますが

結局、根拠の無い噂で終わってしまいました。

 

今回は実際にAlbinoの写真を入手し存在する事が分かった為

入手交渉を開始し、

無事自分の手元に♂のAlbinoを迎える事に成功しました。

 

鮮やかな黄色と白のContrastが効いた

赤目のAlbinoはWild個体だったことから

中々餌を食べてくれませんでしたが

時間が経つにつれて環境に慣れていき

しっかりと餌を食べ始めたそうです✊

 

少し繁殖には小さいと思っていましたが同年秋に交尾をし

翌年の1990年春にhet Albinoが無事に孵りました。

 

het Albino達はすくすくと成長していき2歳になるころには

卵を産み立派なお母さんになっていました。

 

そして1992年の5月の朝に

卵から黄色いお顔に赤い目のAlbinoが顔を出していました。

 

この時の感動は言葉に表せないとBob Clark は語っています。

間違いなく現在のBallpython業界がここまで発展したのは

Albinoの力のおかげてもあり

人気Snake Petの地位に上げたのも

Albinoの影響が大きいと思います。

 

ここまで順風満帆なBob Clark ですが

1994年8月18日の夜にFarmが強盗に襲われ

最初の♂のAlbinoと産卵経験のあるhet Albinoが盗まれてしまいます。

複数取れていた卵までも盗まれてしまったそうです。

 

かなり高額な金額で取引されていたAlbinoなので

良からぬことを企んでいた悪者に取られてしまったのです。

 

Ballpython業界は度々この様なことが起きてしまいます。

Bob Clark は有益な目撃情報を提供してくれた人に

謝礼で10,000$を譲渡する事などで捜索しました。

この様な悲しい出来事がありましたが

現在でもBob Clark は爬虫類飼育を続けています。

 

そして、野生のAlbino

2人のTrapper,Jean Cllaude&Tell Mathieu 

Beninの首都Cotonouの近くAlladaで

再び似たような個体を発見する事となります。

 

その個体が見つかったのは1994年の事であり

最初にAlbinoが発見されてから長い時間がかかったことが分かります。

そしてExotic Reptile JungleのRickey Duffield に売却されました。

 

Albinoは2000年までは

15,000~20,000$程の高値で取引されていました。

今では安価な部類の劣性モルフですが

市場に出回った当初は

かなりの高額値で取引されていました。

 

今となっては初心者・プロブリーダーどちらの立場においても

基本的なMorphとして存在しているAlbinoですが

長い間世界各地のBreederが数を増やしてくれたおかげで

比較的安価で手に入れらるようになった事を考えると

とても有難いですね。

 

次にAlbinoの基本情報について。

Albinoとは黒色を表すチロシナーゼという酵素が

生成されないことにより起こる突然変異です。

 

AlbinoにはT+AlbinoT-Albinoの2種類があり、

T-はチロシナーゼネガティブと読み、

T+はチロシナーゼポジティブと読みます。
+と-なのでそれぞれプラスマイナスと読みたくなりますが、

ポジティブとネガティブが正しい読み方です。

 

それぞれの違いはチロシナーゼを全く生成出来ないか、

少しだけ生成できるのかの違いになります。

チロシナーゼとはメラニン色素の元になる物質で、

チロシナーゼが生成出来ないとメラニンも生成されず透明になります。

 

Albinoの目が赤く見えるのは

目の細胞に色が無く透明であり、

血管が透けて見えて結果的に赤く見える為です。

 

T+AlbinoのMorphについてまとめると


Lavender Albino

Caramel Albino

Ultramel

 

T-AlbinoのMorphは他に


Candy

Toffee


が代表格となります。

 

そしてAlbinoでよく議論になるのが

視力があまりよくないとされている事です。

 

その為、飼育する際は明るい場所ではなく

なるべく暗い環境で飼育してあげる事が

ストレスを減らしてあげられるとされています。

 

勿論、一般的な住居環境でしたら問題なく

飼育できるのであまり神経質に考えすぎる必要もないと思います。

 

次に変わった遺伝をする事について。

Candy.ToffeeAlbino複対立遺伝をする為

Double hetの状態で

Candino

Toffino

となります。

 

参考にAlbino Complexを下記に画像を載せておきます。

 

 

↑Caramel Albino

 

↑Ultramel

 

↑Lavender Albino

 

 

↑Candy

 

 

↑Toffee

 

模様と体色のContrastがはっきりとしてるAlbino

High Contrast Albino.

逆にContrastが弱いものを

Faded Albinoと呼だりもします。

 

Albinoには別名が付いたComboが複数あるので

有名なComboについてまとめていきたいと思います。

 

Sunglow aka Albino Ghost

Cherrybomb aka Super Mojave Albino

Blizzard aka Eightball Albino 

〇〇Snow aka 〇〇Axanthic Albino

 

※〇〇にはAxanのLineが入ります。

ex)TSK VPI MJ GCR Jollifif

 

 

↑Blizzard aka Eightball Albino

 

Albinoは前述でも記載した通り黒い色素を作る事が出来ません。

その為、黒い色が特徴のMorphとComboになると

本来黒い部分が白くなります。

 

Eightballは全身が真っ黒の体色になる為

AlbinoとComboになると全身が真っ白になります。

 

そして、眼も黒色を作ることは出来ませんので

赤くなりこの様な表現になります。

 

好き嫌いの分かれる見た目をしていますが

個人的には悪魔の様な怖さがカッコ良いと思い

好きなComboの1つです。

 

 

↑VPI Snow aka VPI Axanthic Albino

 

2002年にRalph Davis は最初のVPI Snowを誕生させました。

画像では分かりづらいですが

純白の白色ではなくうっすらと黄色みがあるのが特徴的です。

黄色・黒色を作れないMorph同士がComboになると

この様な表現になるのが面白いですね。

少し前までは人気なComboで色々なBreederが

自分で誕生させようと頑張っていましたが

最近ではあまり見かけなくなったComboだと思います。

 

AlbinoはDark系MorphとComboになると

Contrastが効いてぱきっとした表現になる為

カッコいいComboが多いです。

次からはいくつかDark系MorphとのComboを紹介していきます。

 

 

↑Blackpastel Albino

 

目がちかちかするほどの強烈な色合いです。

白の色の深さが出ておりContrastが効いてます。

AlbinoとDark系Morphの繁殖の面白さは

ホモ体のAlbinoを狙う途中でDark系Morphの

厳つくカッコいいComboも同時に狙えるというところです。

 

ホモ体のAlbinoが出れば狙い通りだし、

ホモのAlbinoが出ない場合は

Dark系Comboが出たりするので途中経過も楽しめるという事です。

Dark系Comboが好きな方は積極的にAlbino

繁殖を視野に入れて見ても良いと思います。

 

 

↑GHI Albino

 

GHIのうずうずしいPatternがそのまま残りつつ

暗色部が白くなっています。

AlbinoはPattern Morphとの相性が良いように思えますが

Morphによっては薄くなってしまい

Patternが分かりづらくなってしまうので

注意が必要だと思います。

 

↑Albino Pied

 

劣性モルフのPiedとの2重劣性になります。

しっかりとAlbinoPiedも感じられる相性の良いComboだと思います。

Lavender AlbinoPiedのComboは

別名Dreamsicleと言われ大人気Comboとなっています。

 

世界的に2重劣性、3重劣性がどんどん出てきていますが

このComboに更にClownを加えた

Albino Clown Piedも既に海外Breederの手によって

産み出されています。

やはり規模も違いますし発展のスピードが早いです。

 

 

↑Albino Calico

 

最後にこのComboを紹介して終わろうと思います。

CalicoとComboになると

ほとんどの個体でこの様なPatternになり

Contrastが凄く効きます。

CalicoはDark系のイメージはあまりありませんが

黒の強さがかなりあり深い色合いをしています。

 

その事からAlbinoとComboになった時に

ここまでの高発色なメリハリが出てくると認識しています。

更にDark&Pattern Morphを加えて

唯一無二のAlbino Comboを狙いたくなります。

 

今回はAlbinoについてまとめていきました。

今では劣性モルフの中で比較的安価で手に入れられるMorphですが

Ballpythonがここまで皆に愛されるようになったのは

Albinoの力が凄く大きいと感じています。

 

ここまで神秘的で神々しい存在は他にはないと思います。

個人的にはこれからのAlbinoYellowbelly Complexとの

Comboに注目しています。

海外では既にFreeway Albino

数多くの個体が生み出されています。

 

オランダのMarco van Haren Albino YB Comboが好きです。

 

日本でもAlbinoの魅力が更に広まる事を願っています。

次回はLavender Albinoについてまとめていきます。

それでは次の記事もお楽しみに。

 

δ7Ballpython

 

画像引用 WOB