光ある刻・光ある場所 | Nature | Photography | Music | Art

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詩的な題名にした割にはテクニカルな内容です。


先日書いたこのネタの続き…というか本編。まだJust Ideaの段階で実地検証はこれからですが。

 

最近、行った先々で景色の撮影をする時に+αの情報も同時に記録しており、例えば先日撮影に行ったこの場所
こんな夢見がちな風景なのですが、

 


 

そんな中冷静を取り戻して同時にスマホの測量アプリを使ってこんなデータを残しておく。

 

 

これ何をしているかというと、その場所の空の開口部に方角と仰角をオーバーラップさせて周囲を漏れなく撮影しているのです。
これを大まかにざっと繋ぎ合わせるとこんな感じになって、その場所の空の開いている箇所が定量的に把握できる。

 

 

開口部を大まかに上から描いてみると。

 

 

そしてこの情報とその場所の緯度経度が分かれば、先日のここで行った計算を駆使してこの場所に日の当たる(もしくは月の射す)時間帯を机上計算できる(はず)。
これをしておくと、その場所に通年通わなくても(それはそれで楽しいのだが…)一度行っておけばそこの光の具合がある程度予測できる(はず)。

 

そもそもこんなことをやりだしたのは以下のような理由です。

 

例えば開けた山の稜線などある程度オープンな場所だったらカシミールとかを使えば光の方向の予想をつけるのは簡単なのだが、渓谷などの奥まった場所では周囲の地形や樹木など様々な要因があって光の予測が難しくなかなか思い通りの絵にならなくて悔しい思いをすること数知れず。


これをなんとか効率よく解決できないか検討した一案がこれ。

とりわけ氷瀑などは光が当たる美しい時間というのはとても短いわけで…

 

先ほどの開口部をきちんと図にしてみるとこんな感じ。

 

 

円周方向が方角で北が0度、放射線方向が仰角。つまり円内が地平線以上の半球になる。

これを見ていると氷瀑のできるこの場所から見える空の範囲はすこぶる狭いことが改めて確認できる。

 

次に前回書いた天体計算ライブラリを用いて太陽の軌跡を加えてみる。(氷瀑なので冬季だけでもよいのだが、とりあえず)2017年の元旦から大晦日まで一年分を10日おきに24時間プロット。 色はシアン(1月)からイエロー(12月)までのグラデーション。数字は時をあらわす。

 

 

別途、一年を細かく10分おきに計算して棒グラフにしてみる。青が太陽が地平線以上にいる時間でそのうち赤が開口部に太陽が顔を出す時間帯になります。

 

 

こうしてみると、この場所は朝の気温の低い時間帯の3時間弱程度しか陽が射さないことが分かり、立派な氷瀑ができるのも納得できる。

 

ついでに月の場合でもやってみる。太陽が地平線以上の時と月の暗い期間は排除しています。

 

 

こちらはちょっと分かりにくいので、氷瀑の期待できる1~3月を拡大してみる。

 

ここに月光が射すのは太陽光よりも更にチャンスが少ないことがわかります。

 

計算や手順が合っているかどうかいささか心許ないが…この情報を各所持っておけば効率よく撮影プランを練る事ができる(かも)。