どろどろした
澱んで埃の浮いた液体が
わたしの腹の中に溜まっている
溜まっていく
醜い
醜い
見たくない
わたしの
わたしの中は空っぽで
冷たい風が吹いていて
体中の傷口にしみる
自作自演の
必要のない傷
見なければいいのに
中を覗いては
傷を増やす
くだらない
誰のせいでもなくて
ひたすら
いらない傷 増やす
馬鹿みたいな
会いたかった
君に会いたかった
新しくなったわたしを
一番初めに見てほしかった
わたしの新しい一日を
一緒に迎えてほしかった
何をするでもなく
一緒に眠ってほしかった
君と
一緒に朝が来るのを待ちたかった
君と
他でもない君と
君に会いたかった
新しくなったわたしを
一番初めに見てほしかった
わたしの新しい一日を
一緒に迎えてほしかった
何をするでもなく
一緒に眠ってほしかった
君と
一緒に朝が来るのを待ちたかった
君と
他でもない君と
きみの目に映っている
ぼくのかおは美しいだろうか
きみの手に触れている
ぼくのからだは美しいだろうか
きみにとってぼくは
果たして美しさを見出す対象であるのだろうか
きみは
きみの生きざまに依って数え切れぬ程の
多くの、あらゆるものと交わって来ただろう
ぼくはその多くのひとつに数えられているだろうか
ぼくは、
きみの存在に少しでも混じり合うことが出来るだろうか
ぼくのかおは美しいだろうか
きみの手に触れている
ぼくのからだは美しいだろうか
きみにとってぼくは
果たして美しさを見出す対象であるのだろうか
きみは
きみの生きざまに依って数え切れぬ程の
多くの、あらゆるものと交わって来ただろう
ぼくはその多くのひとつに数えられているだろうか
ぼくは、
きみの存在に少しでも混じり合うことが出来るだろうか
眠っている君を見ている
見ているだけ
わたしはただ見ているだけ
眠っている君を
眠っている君を見ている以外に
わたしに何が出来るっていうんだろう
わたしは何がしたいっていうんだろう
眠っている君を見ている以外に
望むことがあるだろうか
わたしは眠っている君を
ただ見ているだけ
愛しているのでもなく
憎んでいるのでもなくて
わたしはただ眠っている君を
誰よりも近くで見ているだけ
君に心臓を食われてしまった
かわいそうなわたし
君を見ていることしか出来ないので
君を見ていることに満足する
見ているだけ
わたしはただ見ているだけ
眠っている君を
眠っている君を見ている以外に
わたしに何が出来るっていうんだろう
わたしは何がしたいっていうんだろう
眠っている君を見ている以外に
望むことがあるだろうか
わたしは眠っている君を
ただ見ているだけ
愛しているのでもなく
憎んでいるのでもなくて
わたしはただ眠っている君を
誰よりも近くで見ているだけ
君に心臓を食われてしまった
かわいそうなわたし
君を見ていることしか出来ないので
君を見ていることに満足する
そうしてつまらないことに価値を見出して
大事に抱えていることで自分を補っている
くだらない感傷だと分かっていてもそうすることでしか
そうすることでしか、認めることができない
愛されていない
わたしは愛されていない
愛する対象としての存在ではないのにどうして
ただ愛されることだけ、渇望しているのか
不毛なことをしている
じゅうぶん過ぎるほど分かっている
わたしは愛されない 愛さないから
大事に抱えていることで自分を補っている
くだらない感傷だと分かっていてもそうすることでしか
そうすることでしか、認めることができない
愛されていない
わたしは愛されていない
愛する対象としての存在ではないのにどうして
ただ愛されることだけ、渇望しているのか
不毛なことをしている
じゅうぶん過ぎるほど分かっている
わたしは愛されない 愛さないから