(無言) -2ページ目
君は優しいので
物分かりが良過ぎるので
わたしがもし、嫌だと言ったら
そうかと頷いてくれるだろう
でも違う
わたしは否定されたい
お前だけだと
お前しか居ないのだと
きみがもし
きみがもしわたしを
(ありえないとわかっているけれど)
ただの
たくさんあるうちの
ひとつとして
あいしているのだとしても
そして
いつか
わたしよりあいせるものをみつけて
わたしから
さってゆくとしても
わたしは
わたしはきみに
きみにあいされたことを
きみによりそうのをゆるされたことを
きみに、このせかいから
たくさんあるうちの
ただひとつとして
みつけだされたことを
しあわせにおもう
愛している
愛している
愛しているというのは
なんて簡単なんだろう

愛している
全身で愛している
からだじゅう愛している
なんという
なんという軽さ

いやがるかもしれない
疎まれるかもしれない
それ以前に
必要のない存在に
なるかもしれない

それでも愛している
守りたいと思う
きみの幸せをねがっている
わたしの声は
きみに聞こえているか
手に入れたいと思うのは愛じゃなくて

きみのこと好き過ぎて
好き過ぎて
好き過ぎて

きみのことが好きなのか
わたしを好きなきみを好きなのか
それは別のことなのかそれとも
大して変わらないことなのか

手放したくない
ずっとそばに居て欲しい
ずっと

終わらせるのが愛なんだと思う
きみを解放することが本当の愛なんだと思う
幸せになってほしい
きみは幸せになるべき人
わたしと一緒に駄目になるのではなくて

きみみたいな人は
多分もう一生現れない
きみを守ってあげられるのがわたしだったら
どんなに良かっただろう
でも多分違う
多分 違う
わたしでは駄目だ
あなたは
あなたじゃないと駄目なのに
わたしの中をこんなにかきまわすのに
あなたはわたしに気付かない