(無言)
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何も言わずあなたと座ってると
この夜は静かな海のよう

夜露が濡らしたその黒髪
星屑の中で泳いだよう
誰でもない存在だ
私は

死神は孤独でも生まれたときから宿命付けられた仕事があるから私よりマシだ

今日は手が震えて
疲れていることを自覚した

もう何日もまともに眠っていない
頭が興奮して眠りに就くのを阻もうとする
夢の中にも現実が忍び込んでくる
疲れている

体も何もない
心の在り処は信じていない
魂はエーテル
指先には気を付けられるけれど、猫背は直らない

愛することは辛い
心を悩ますとか可愛らしいものではない
現実に身を置いて愛することは辛い
私にとっての愛は創作だった
二人はいつまでも幸せに暮らしました
結末を望んでいる 今でも
最後のページをめくり本を閉じることを

死んでしまいたい
消えてなくなってしまいたい
彼を手放してしまいたい
私の存在しない世界で幸せになってほしい

戻って来た感覚だった
生きていることを考えないふりをしている
そこに存在しているのに未だに架空の人物のように感じる
私の思う私
私の思う私は老いて疲れ果てた醜い女

いつからこうなってしまった
同じ毎日ばかり
時間は無限にあったのに
今となっては余命を消費しているだけ
私の人生なんて砂の一粒みたいなものだ
あとは余生だ それでいい
これから これ以上幸せになどならなくていい
永遠に
小さな部屋で一人ぼっち
映画の予告編ばかり見るだけの生活でいい
これ以上は何も望まない
人間らしい生活など望まない
私は美しくもなければ醜くもなれない
私は何にもなれない
これから死ぬまでこのままでいい
何も望まない
何も望まない
何も望まない
貴方のこと
そうですね
あなたのこと
ええ

あなたは
そう
髪が長くてね
目にかかるんだけれど
それで鬱陶しそうな両目が
とても綺麗なの

あなたは
そう
唇が薄くて
笑うと犬歯が覘く

存在しているのに
していないような
その危うさ

あなたが生まれる
ずっと前から
貴方を探して
いた気がするんだけれど

あなたが生きている
その世界を
あなたごと連れ去って
水槽の中に
閉じ込めてしまいたい

あなたがわたしのこと
知らないのと同じように
わたしがあなたを
愛しているというだけ
愛してよ
愛して
愛して
愛してよ
愛してってねえ
きみのことすきだよ
すきだよ
すきなんだ
きみのこと
すきなのはわたしだけ
きみのこと好きでいてあげる
あげられるのはわたしだけ
きみ
ねえきみ
殺してよ
置いていかれてる
みんな去ってゆく
みんな
わたしのうえを通り過ぎて
それぞれの場所に
わたしは
わたしが?
わたしのせいだ

わたしはわたしが価値のないことを知っている
わたし自身がそうした
望んで身を置いた結果だ
わたしにできることは何もない

膨大な毎日を消費してゆくのに
意味のない
思い出したら滲むから許されない
その時きみは何を見てた?

どうしてあの時はいと言った?
どうして止さなかった
こんなことは
わたしたちの今はいったいなに?

わたしはどこにいった
わたしの欲しがるわたしは
どこにいった
消えた
死んだのか
もうはじめから居なかったのか