生まれてきた病気のことを
わたしは贈りものとおもう
それは語りきれないほどの
いろんな時間をくれたから
生きている病気をとおして
わたしの心は成長してゆく
それは日々の些細なことを
とても貴くしてくれるから
けれども言ってはならない
苦しみを受けているひとに
それは贈りものであるとも
それから成長してゆくとも
わたしに待っていた結果は
苦しみの目的にはならない
くらやみの向こうの希望は
あなたにしか見えないもの
ーーー
“人生を諦めていた私が、
数年かけて見つけた
小さな希望がある。
それは不完全さの中に宿る美しさだ。
…
昔の姿を懐かしむのではなく、
違いの中にある
美しさを祝うことにした。
自分の価値を決めるのは
社会の基準ではなく、
人柄や他者への優しさ、
レジリエンスなんだ、と
自分に言い聞かせた。
誰かの言葉に傷ついたときは、
自分の見た目は、
命を救ってくれた手術の結果だと
思い出すようにした。
…
手術から目覚めて
未来が見通せなかったあの時だって、
人生が終わったわけでは
なかったのだ――
ただ、
新しい生き方を
見つければよかった。”
サミー・テイラー