少し開けた窓から
せんぷうきの風に

虫の声のきこえる
すずやかな夏の夜

ガーゼの掛けもの
素肌にやわらかく

いちにちの終わり
穏やかにまどろむ



ーーー

“夏は夜。

月のころはさらなり、
闇もなほ、
ほたるの多く飛びちがひたる。

また、ただ一つ二つなど、
ほのかにうち光りて行くもをかし。

雨など降るもをかし。”


『枕草子』