星のふるように出逢い
わたしのやみを照らす
あなたの光をとおして
はじめてわたしを見た


そらの星にかえっても
目に見えないつながり
はてしなく巡りめぐる
ときのうちに癒された


あなたが示してくれた
わたしのうちなる光を
いま暗やみにたたずむ
ひとのために照らそう


生まれるまえに決めた
たましいたちの交わり
あらゆるやみを包んで
光を巡らせていけたら


悲しみと生きることは
なんて愛しいのだろう
哀しみを生きるひとは
なんて美しいのだろう



ーーー

“かつて日本人は、
「かなし」を「悲し」とだけでなく、
「愛し」あるいは
「美し」とすら書いて
「かなし」と読んだ。

悲しみにはいつも、
愛(いつく)しむ心が生きていて、
そこには美としか
呼ぶことができない何かが
宿っているというのである。”


“「かなしみ」が
悲痛の経験には終わらず、

哀憐の「哀しみ」となり、
悲愛の発見となる
「愛(かな)しみ」となり、

悲しみのなかに咲く
美しい花に出会う
「美(かな)しみ」となる。
悲しみを生きるとは、
朽ちることのない
希望を見出そうとする
旅の異名なのではないだろうか。”


若松英輔『悲しみの秘義』より