むかしも今もかわらず
ひとみな物語のうちに
みずからも言葉により
いのちの本に記される
*
それは決して開かれず
たとえ読もうとしても
とき満ちるまで意味を
ひそかに閉ざしている
*
すべてのことは知らず
ちいさないのちを胸に
あなたは日ごとに歩み
その物語を生きている
ーーー
“あなた自身が
大いなる図書館のような
場所であることを思い出してほしい
そこには
使われないまま埃をかぶり
うず高く積まれた本がたくさんある
それらは
あなたにふたたび、開かれることを
ただ静かに待っている
読まれることを
…本当に大切なことは
自分の中にある「本を開く」こと
自分自身の中にある智慧を
引き出そうと真摯に問いかけることで
“答え”を知ることではない”
Chizuko「甘露」