むかしも今もかわらず
ひとみな物語のうちに

みずからも言葉により
いのちの本に記される


それは決して開かれず
たとえ読もうとしても

とき満ちるまで意味を
ひそかに閉ざしている


すべてのことは知らず
ちいさないのちを胸に

あなたは日ごとに歩み
その物語を生きている



ーーー

“あなた自身が
大いなる図書館のような
場所であることを思い出してほしい

そこには
使われないまま埃をかぶり
うず高く積まれた本がたくさんある

それらは
あなたにふたたび、開かれることを
ただ静かに待っている
読まれることを

…本当に大切なことは
 
自分の中にある「本を開く」こと
自分自身の中にある智慧を
引き出そうと真摯に問いかけることで

“答え”を知ることではない”


Chizuko「甘露」