目にみえる奇跡を
感じとれる神秘を
求める必要はない


物の限界をしらず
人の感覚をこえて
神さまの光は届く


見えない感じない
素朴のうちにある
透きとおった純粋


無に覆い隠された
小さな行いにこそ
神さまの愛は伝う



ーーー

“このように、テレーズの生活は、
外から見れば、何も際立った出来事のない
普通の生活にすぎない。

しかしテレーズは、
自分に与えられた師の導きと、
命じられた道を、愛をこめて受け入れる。

…自分自身は、特殊な恵みには
ほとんど何の注意も払わない。

信仰についてのどんな光よりも
自分の無を語る光を、
どんな恍惚よりも
隠れた犠牲がもたらす喜びを、
光よりも闇を好んだ。

そして、外に現われる恵みよりも、
彼女の深い生活を覆い隠す、
くすんだヴェールの方が好ましいと思う。”


マリー・エウジェンヌ
『わがテレーズ愛の成長』より