せつなに去るような


浅きに惑うことなく



しずかに満たされた


深きに在るよろこび



ひとみな秘められた


聖なる処をもつもの



あなたの心にともる


己のみ知りうること




ーーー


“悲しみが消えたわけではない。


悲しみが、ただの悲しみではなく、

愛しみと美しみを伴った

「哀しみ」に変わり、世界を満たしていく。


この世で一番美しい姿は、

涙が出る姿だと思う。


春の到来を感じさせる涙。


夜明けを告げる、朝露のような涙。”



坂爪圭吾