ブラックフォーマルの思い出 | Momoko Style

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先月だったか、友人と

「ももちゃんブラックフォーマルの服、持ってる?」

という話になりました。



持っていますとも(!)私のブラックフォーマル服・・

ちょっと思い出深いエピソードつきで。。。flower1



私、父が亡くなる以前に最後に行った葬儀は高校生のとき

だったので、制服。その後、ずっと持っていなくて。



一昨年6月、あらゆる手段を尽くしてきた闘病中の父の体は

残された道がいよいよなくなっていき



母、弟、私はそれぞれ仕事をもちながら

仕事へ行ったり休ませてもらったりしながら

病院へ通う毎日を何ヶ月も続けていて



精神的にも体力的にもいちばん辛く

自分たちにも限界を感じ始めていたのが6月でした。



父の前でみんな明るく接していたけれど、母と弟は

合間をぬって葬儀場を決めるため見学に行き始め、



私は母から

「ブラックフォーマルの服とバッグを、早く選んできなさい。

 いっしょに行ってみてあげたいけど、できないから行っておいで」




仕事の帰り、金曜の夜で、雨の日。

疲れきった体と心で、それでも“今日しかない”と思い

一人、百貨店のフォーマルウェア売り場へ。。。



エレガントな雰囲気でセンスよさそうなおばさま店員さんが

いろいろアドバイスしてくださって決めることができ



「本当は、着る機会が少ないほうがいいものですが

 これなら、これから歳を重ねられても長く使っていただけますよ」



という言葉をいただいて、内心では

“自分の父親が亡くなるので、すぐにでも着るんだよね・・”



と悲しく思いながら、でもひとつ準備ができたことに

親切にしてくださったおばさまに感謝の気持ちで

買って帰ったのでした。。。



それから一週間もたたぬうちに、それを着る日がきて

その服は役割を果たしたのです。



あのころの自分は、体も心もギリギリの状態で

母も弟もそうでしたが、この状況と一生懸命向き合おう、



しっかりこの目で見るんだ、と必死でした。

終わり(別れ)がくるのがわかっていたからかな。。。



父の姿から教えられたこと、母と弟と乗り越えたこと、

味わった感情。。。私にとって、価値観が変わった気がする

20代の経験です。





今年、私のウェディング で母は洋装にすることに。

母のアフタヌーンドレスを選びにいっしょに百貨店の

フォーマルウェア売り場へ行くと、



あのときの、おばさま店員さんがいらっしゃいました(!)

変わらず、エレガントでハート