平成24年ふじのくに士民協働事業仕分け参加記[5] | はい、タケコプター

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備忘録としての日記です。よろしかったらご覧下さい。

午後の議論に入ります。

午前中に比べて論点が多く、何から聞いたらいいか迷うところです。


ふじのくに観光ブランド創出事業費 (観光政策課・観光振興課)




各都道府県の地域間競争が激しくなる中、
静岡県の観光ブランドを創出しようとする事業です。

「大型観光キャンペーン」や徳川家康没後400年を記念した徳川家康関連のイベントなどがありますが、気になるのが「負担金」「分担金」といったものの多さで、県が本当にイニシアティブをとれるのかと言う点や、観光協会との関連が問題になりました。

観光協会は財政状態が非常に悪いと、8月に新聞報道があり、質問事項にしようかと迷っていましたが、論点の逸脱の恐れがあると思い、当日もあえて質問することを避けました。


確認したい点としては、


・ブランドとして世間に周知出来る程度にある程度の期間腰を落ち着けて事業を展開出来るか


・ブランドと認識されるよう商品のブラッシュアップが出来るか、そして効果的にPR出来るか。


・顧客に訴求したいものは何かが明確か


3点です。



「大型観光キャンペーン」は継続しているやっている事業とのこと。「徳川家康」も没後400年を迎える2016年までは継続するとのことでした。

この点「キャンペーンが常態化している」と言うことは問題かなと思いました。良く紳士服チェーン店が半年以上閉店セールをやってると言う笑い話がありますが、地でいってます。家康についても愛知県も「地元」を標榜しています。2016年以後も売っていこうかは明確ではありません。

ブランドのブラッシュアップについては、すでに売込みの出来る材料は揃っているが知名度がないだけでPRすれば観光客は来ると考えているようです。

現在力を入れているのが、北海道では冬期にゴルフが出来ないため温暖な静岡のゴルフ場へ誘客することだそうです。ただ、これも本州の太平洋側で空港に近いところであれば他でも思いつきそうな話。

どうも決定打に欠けます。

私が考えるには、むしろ注目したいのが、県内では市町単位でもブランディング能力に長けている地域が多いと言うことです。B級グルメで言えば「富士宮焼きそば」、「浜松餃子」、「静岡のおでん」など、全国的な知名度を得ています。

また静岡の大道芸ワールドカップは世界的にも有数のフェスティバルとしての地位を確立しています。

こうしたことを考えると、今ひとつ何を売りたいかがはっきりしない県が前面に出なくても、市町単位のコミュニティで十分にブランドの創出が出来るのではないかと判断しました。

私の結論は「県の関与不要」、班の結論は「縮小・見直し」でした。




おもてなし推進事業費 (観光政策課・観光振興課)

文字通り、観光客の皆様への「おもてなし」を推進する事業なのですが、事業シートでは県外の観光案内所への支出が8割近くになっています。

担当者の説明では、他の事業でおもてなしに類するものをやっているので、この事業は見かけ上、接遇に関するものが少なくなっているとのことでした。
この段階で「他の事業との整理がうまくできていない」と担当者が認めてしまっているような状態です。

少ししっくりいかないと思われる観光案内所の事業ですが、東京案内所が新しい試みを行っているところが評価出来る点です。



はい、タケコプター-グリーンティプラザ

有楽町・交通会館の東京案内所は昨年11月に「グリーンティプラザ」に改装し、御茶を飲みながらスタッフに観光案内を受けられる形式に改められました。

小生は東京に行った際に外から確かめた程度だったのですが、他の委員の方は実際にスタッフと会話をしたとのこと。お茶処のおもてなしとしては非常にいいことだと思います。

ただ、全体的に「誘導する」とか(顧客が知らないので)「情報を発信する」と言う点でやや上から目線ととられるともとれますし、お客様の要望はともかくこちらの言いたいことだけ言ってるような印象がやや気になりました。

そこにもう少し、顧客の目線を持ってもらえれば、いい方向に進んでいくのではないかと思いました。

私の結論、班の結論ともに「縮小・見直し」でした。


議論の途中で昨年の「ニューツーリズム」の話が出ました。私が昨年の担当だった旨を話すと、昨年もご一緒した担当者の方が作業終了後に声をかけて下さいました。
昨年の議論で出した資料が全く逆の意味にとられてしまったことが、ずっとショックで引きずっていらしたそうです。

その資料というのは、古くからの温泉地で次代を担う若手の取り組みとして紹介されたのですが、「街コン」などのやや軽いタッチのものも含まれていたため、構想日本の専門委員から厳しく叱責を受けたのでした。


ただ、プレゼンの整理の仕方にもう少し工夫があればと思うところです。
「ニューツーリスム」というと新たな旅行の形態、今まで観光資源でなかった場所も観光地として付加価値をつける。そうした概念だと捉えられます。

あえて、旧来の温泉地で新しい資源を開発するなら「再開発型」と分類たり、一時の流行に乗ったイベントではなく体質改善であることをアピールするなどの工夫があれば良かったでしょう。

逆に考えれば、県のスタッフも地元と連携しながら一生懸命取り組んでいると言うことがよく分かります。


個人的には「再仕分け」もやって欲しいところです。
やはり、自分の担当した事業の成り行きには非常に興味があります。影ながら少しでも改善に結びつけばと思うものです。
事業シートを見ても「平成**年に仕分け済み」の文言が目につくようになり、今年は特に気になりました。