今年で4回目となります、静岡県の「ふじのくに士民協働事業仕分け」が13日、14日の2日間の日程で行われています。
以前も書いたとおり、小生は専門委員として参加しますが、議論に参加するのは2日目の明日。
1日目は傍聴することにしました。
今年は10月の初めから喉の痛みがずっと続き、かなり重症化しましたが、やっと治りかけてきました。
ですので、傍聴は午前のみにしました。
「家・庭一体の住まいづくり推進事業費」
これは個人的にも興味のある事業で、正直言うと担当したかったです。
県の事業担当者の説明が冗長でコーディネーターから注意を受けるなど、出だしから少し混乱気味。
さらに、話題の中心が定期借地権の説明になってしまい、これは定期借地権制度のPR事業なのかと思うほどでした。
事業の目的の説明では、住宅産業の経済波及効果の大きさを根拠に新規着工数の増加としていましたが、個人的にはむしろ住宅余剰の解決策のメニューの一つとして活用出来るのではと思っていました。
今後空家がますます増えると予想され、朽廃家屋の弊害がますます大きくなると考えられます。
そうなった時に更地化して、庭として隣地に併合することが考えられるからです。
もっとも、これでは経済的な旨味が少ないので、何らかの施策とからめてできないものかと思いました。
残念ながら、専門委員から人口減少の観点に立った質問がなく、少々物足りない感じがしました。
EV・PHVタウン推進事業費
電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及を促進する事業です。
行政機関での電気自動車の導入や、給電スタンドの設置などがその内容です。
原発停止で化石燃料による発電が増えているから本当にCO2の削減効果があるのかという質問(エネルギーの変換効率が内燃機関より発電の方が高いため削減効果はある)や、事業効果についての疑問が出ていました。
車両価格も高価なことから、普及の壁はまだ高いと思います。
また、自動車への投資だけでなく家庭でも給電システムの設置などの改修を迫られるのではないかという質問もあり、県民評価人の方からは「そもそも電気自動車が本当に環境に優しいのか、リチウム電池のリサイクルの問題はないか」と言うような"そもそも論"に立ったいい質問が出ていました。
専門委員が「県の関与不要」が主流だったのに対し、班全体の判定は「見直し 縮小」となりました。
いずれもなかなか良い議論だったと思います。
ただ、全般的に理念や目的は立派なものを掲げているのに、それを実現する事業の内容が少し弱いなと強く感じました。
明日は本番ですが、今回は世間の関心は高いものの論点をひり出すのがなかなか難しい事業が揃っています。
どういう方向に転ぶのか、少し楽しみであります。