福島第一事故、明らかに人災…国会事故調報告書 | はい、タケコプター

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東京電力の福島第一原子力発電所事故を検証する国会の「事故調査委員会」(黒川清委員長)は5日、最終報告書を決定し、衆参両院議長に提出した。

 報告書は、今回の事故は「自然災害」ではなく、規制当局や東電の安全対策の「意図的な先送り」が招いた「人災」と断定した。国や東電の安全意識の低さが、深刻な放射能汚染や大量避難者を生んだ重大事故を招いたとして、厳しく指弾した。

 報告書は、事故発生前の原発の安全対策をめぐる規制当局と東電の関係について、「規制する立場とされる立場が『逆転関係』となり、原子力安全についての監視機能の崩壊が起きた。今回の事故は『自然災害』ではなく明らかに『人災』だ」と結論づけた。

 事故被害の拡大を招いた原因については、「東電に過酷事故に対する十分な準備があれば、より効果的な事後対応ができた可能性は否定できない。東電の組織的な問題だ」と批判した。

(2012年7月5日21時52分 読売新聞)


先日の公開ヒアリングでは、個人の責任のなすり間という点だけが誇張されるような形で報道されていて、
国会事故調というものにやや不信の目を持っていたのですが、ダイジェスト版を読んだ限りでは報告書としては非常にわかりやすく、背景にまできちんと踏み込んでいる点は評価出来ると思いました。
http://www.slideshare.net/jikocho/naiic-digest

どうも報道では、3・11の当事者だけで誰に責任があるのかを押しつけようとしているようにしか見えません。
東電の清水社長が出掛けていた、勝俣会長が要領を得ない、菅首相は何も知らないクセに口を出す、枝野官房長官は「ただちに影響がない」ばかりを繰り返す。一方で現場で孤軍奮闘していた吉田所長は英雄という評価が相場でしょうか。

しかし、事故は3・11にそれぞれに現場にいた人間ががどんなにパフォーマンスを発揮したところで回避出来るものではなかったと思います。
それは想定外の自然災害だったと言うことではなく、それを未然に防げる段階がいくらでもあったのに、そこできちんと手を打ってこなかったという意味です。

全電源喪失は起こりうるのに、おこらないことを前提にしていたし、必要な対策を先送りにした。住民に対する防災体制もシビアアクシデントを考えていなかった...。
ある意味テレビでは被害者のように映し出されている人の中にも、少なからず手落ちがあった人はいたとおもいます。

大切なのは「責任者出てこい」ではなく、同じ事故を二度と起こさないことです。
今回の事故の損害額は下手すると日本の年間の税収分くらいになるかも知れません。
他の原発では場所によっては今回とどうクラスの事故になればこれ以上の損害額になることもおそらくあるでしょう。

そうならないためにこれからできることを、国会でさらに国会議員を選出する選挙で真剣に考えていかないといけないでしょう。