西武百貨店静岡店の撤退が濃厚のようだ。
かねてから噂は耳にしていたし、客の入りから見て、いつアナウンスがあっても不思議はないと思っていたから、特段驚きもないのが感想だ。
だいぶ以前マツザカヤ静岡店の外商の方に伺った話だが、西武が20代の女性をターゲットに店の構成を変えたことは「非常に危険な賭」だったようだ。
当時有楽町西武が若い女性向けの品揃えを展開して業績を大きく伸ばし、それを他の店にも取り入れようと考えていたようだ。
ところが、マツザカヤの外商の方によれば、静岡は20代の女性の割合が少なく、東京とは異なり、マーケットの狭い静岡でこの層にターゲットを絞ることは理解しがたいと言うことだった。
地域性を無視したリニューアルが結局、店の運命を決定づけてしまったようだ。
西武の撤退で、市中心部の衰退が危惧されているが、既にかなり進行しているように思う。
店の数はそこそこ多いのだが、あまりにも業種が偏りすぎている。買いまわり感覚で買い物をするのには相当無理がある。特に家電製品などは中心市街地買うことなどできないと言っていいほどである。
そういう意味では、街全体で見て品揃えが不足しているものをいかに補充するかという観点で考えて欲しいと思う。難しいとは思うけど。
話を西武に戻すと、小生が小学生時代の西武はそれこそ黄金時代だった。クリスマスイブには開店前から入口に人だかりができ、開店と同時に客が店内へ一気になだれ込む光景すら見られた。
あのころのことを思い出すと、撤退報道にはやはり寂しさを感じずにはいられない