行って見て気づいたのがハエの多さ。
気仙沼や岩手県の大槌町では冷凍倉庫が破壊され、水産物が腐敗してハエが大発生していると聞いていますが、水産関係の施設が近くにないこの場所でも凄いハエの数です。
以前に比べて広々したセンター。
待合スペースも前より少し広くなりました。
待合スペースで座って待っていると受付にいるスタッフの若い女性が本を丸めて「バン!」とハエを叩いていたりします。
センターの脇にはテントサイトがあり、長期の方はここで寝泊まりしているそうです。
頭が下がります。
用具の倉庫は以前と同様ですが、長靴のレンタルは充実しましたね。
しかし、受付票に書かれた現場の情報に合わせて何を選ぶかが案外難しかったりします。
ちなみに午前中は津波の影響で手の届きにくい部分にカビが生えてしまった食器棚の清掃などのご依頼。
壊れやすい食器の移動もあり、少し気を使う作業でした。
チームは4名編成。
依頼者の方には飲み物をご用意いただいたりと本当によくしていただきました。
津波の話も現地の人ならではの体験談。
「目の前にいた人同士でも津波で全く違う体験をしているくらいだからいろいろな人に体験談を聞いてみてください」とおっしゃっていたのがとても印象に残りました。
作業のあとに近くにあるスイレンの池を案内してもらいました。
四季の移ろいと共に様々な花が代わる代わる咲き競うというこの庭も、津波を被ってしまい塩害がでており、池にいた鯉もいなくなってしまったそうです。こちらの橋は津波で流されたものの、いち早く復旧したそうです。
しかも全部手作りとのことですから、ビックリです。
昼食はセンターの近くにあるAコープ買ったカツ丼。
作ってから30分ぐらいだったようで、まだ温かくてうまかった!
午後は、空き家の泥出し作業。地震以来ずっと不在だったそうで、地震の時のままの状態でした。と言いますか、熟成が進んでいてカビ、たまり水の腐敗臭が相当なものでした。
作業中に「仏壇のお位牌がない」と騒ぎになりましたが、なんと二間隣の部屋で見つかり、居合わせた一同ビックリ。「ああ、まさに午前中に伺ったお話がこれだ」と思いました。 依頼者の方は「ここで生まれ育ったんだけど、いままでここに津波が来たことなんて一度もなかった」とおっしゃっていました。
2ヶ月前に作業した時は、依頼者の方も身の回りの作業で忙しく、お話を伺うことができませんでしたが、今回は貴重なお話を聞けました。
被災者の方も少し余裕が出てきたのかも知れません。また、前回は単に泥出し、片付けの印象が強かったですが、今回はカビやハエなど衛生状態を脅かすものとの戦いが多かった点で大きく違いました。
しかし、変わらないのはボランティア参加者の皆さんのひたむきな姿勢。全く見知らぬ人同士がチームを組み、しかもどのチームに入ってもチームワークが素晴らしい。
2時間の作業が終わるとそれぞれまた散っていく。同じ志を持った人々が生み出す一期一会の世界はカネや出世の欲望にまみれた世界では味わうことはできません。世の中すべからくこうであって欲しいと思いました。
ボランティア参加者向けの針灸、マッサージのサービスをこれまた大阪のボランティアが展開してくれてます。
代行バスの時間もありますので残念ながら横目で見ながら帰ってきました。
仙石線は16日から石巻と矢本の間で運転再開になります。
踏切のポールが再びセットされ「、テスト中の警報機の音も聞こえました。
矢本駅も新しい改札機がセットされていました。
もうすぐこの駅にも活気が戻ってくることでしょう。
矢本駅で会った神奈川からのボランティアの方と「利久」に行きました。
本場の牛タンを堪能!薄切りの牛タンでは味わえないジューシーで柔らかい歯ごたえは格別でした。