防波壁の設置だけで良いのか | はい、タケコプター

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<blockquote><strong>浜岡原発、首相の要請を受諾…運転停止へ</strong>
読売新聞 5月9日(月)17時22分配信

 中部電力は9日、臨時取締役会を開き、菅首相から要請を受けていた浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止を受け入れることを決めた。

 停止期間は、防波壁の設置工事などの津波対策が完了する2~3年程度になる。

 中部電は「首相の停止要請は重く、受け入れは避けがたい」(幹部)として、基本的に受諾する方向で協議していたが、浜岡原発を全面停止した後も管内に電力を安定的に供給できるかどうかを見極めるため、7日の臨時取締役会では結論を持ち越した。

 その後、休止中の火力発電所の再稼働に必要な発電燃料のLNG(液化天然ガス)の追加調達にめどが立ち、電力需要がピークを迎える夏場を乗り切れる見通しとなったため、中部電は全面停止を受け入れることになった。 .最終

更新:5月9日(月)17時22分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110509-00000803-yom-pol</blockquote >


 菅首相の運転停止要請を受けて、中部電力が浜岡原子力発電所の全機停止の決断をしました。
 経営陣の勇気ある判断は称賛に値するものだと思います。


 停止となれば中部電力も対策に本気になるでしょうし、前倒しで対応することになるかもしれません。

 ただ、防波壁などのハード面の対策、或いは原発の内部での対策だけでいいのかと疑問に感じます。
 
 防波壁などのハード面の対策、或いは原発の内部での対策をしてそれでどんなことがあっても放射性物質漏洩事故が起こらないという保証はどこにもありません。
 対策をしてもその裏をかくような自然現象があればおそらく対応できないでしょう。

 万が一想定外の事態が起こった時にどうするのかも決めておくべきでしょう。


 つまり「原発は可能性は低いながらも事故を起こす可能性はある」という前提で、原発周辺の住民に情報開示をする必要があると。
 事故が起こればどの範囲が危険なのか、事故が起こった場合どこに避難をすればいいのか等、情報提供してもらわないと非常に不安に感じます。


 たとえば浜岡で福島と同様の事故が起これば、20km圏内を通る東名高速、新幹線、東海道線等のインフラは寸断。同じく静岡空港も20km圏内でアウト。避難者は20km圏だけで約20万人程度。地震と同時に原発事故が起これば広範囲でいろいろ被害が出ているでしょうからどこにどうやって避難すればいいのか、困難な事態になりそうなのは目に見えています。
 避難すると言っても車なのか、だとすると大渋滞は起こりはしないか。道路自体は大丈夫でも高速道路は緊急輸送路に指定されて通れなくなるだろう。そうするとどう逃げたらいいのか。逃げられないうちに放射性物質が降ってこないか等と考えてしまうと余計に不安になってきます。


 もちろん、その時になってみないとどのように避難できるかは分からないのですが、大枠を決めておくだけでも実際の対応は違うのではないでしょうか。


 「政府の対応が後手後手」と各所で言われていますが、小生は指揮官が悪いのではなく、「原発は事故を起こさない」という前提で何も準備をしてこなかったことに一番の原因があると思っています。

 また、政府の原発情報が信頼できないというのも、「原発は事故を起こさない」「原発が事故を起こせば国民がパニックに陥るので、事故に触れること自体がタブーである」というような思考から未だに脱することができていないことに原因があると思っています。


 重大事故が起こってしまった以上「事故はまた起こるかもしれない」と考えて、その前提で対策を打ってもらいたいと切に願っています。