NHKニュース 仕分け効果 思惑の違い表面化 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101015/k10014595701000.html
10月15日 4時23分
今月末から始まる、国の特別会計を対象にした事業仕分けについて、政府内では、来年度予算案の財源ねん出に期待する声が出ているのに対し、仕分けは税金の使い方を検証するもので、財源ねん出の手段ではないとけん制する意見が出ており、その効果をめぐる思惑の違いが表面化しています。
事業仕分けの真の狙いというのは、その事業が必要なのか必要ではないのか、必要ならば誰がやるべき事業なのかということを"そもそも"論から追究して構造改革につなげていくことにあります。
惰性で何も考えずに機械的にこなしている仕事、社会経済情勢が変化して意義が薄れているのに「法律があるから」という理由で続けられている事業、必要なのに全く手が付けられているような問題をどうするかを考える場であり、先例踏襲主義というラクで安全な道に安易に寄りかからない思考を醸成するのが狙いのひとつであるのです。
つまり、減らす一方ではなく必要であるなら予算を増やすこともあり得ることです。
必要な投資まで減らしてしまうと国の死命に関わることにもなってしまいかねないからです。
とにかく財源を捻出したいという短期的な観点から重視するならば、議論などする必要はなく、何でもかんでも容赦なくばさばさと切ってしまえばいいのです。
しかし短いながらあえてそこで議論すると言うことは、仕分け作業の本質が「無駄なものは削り、眠っているものは生かし、足りないものは補う」ことであるからです。
どうも民主党はそのあたりを体得していないようにも思えます。
選挙のため、宣伝効果を狙ったパフォーマンスのようにとらえているようなフシもあります。
やるならば第4弾もやって欲しいものです。
その時は財務省に厳しいものにして欲しいのですが。
事業仕分け自体いろいろ問題を抱えて、今は瀬戸際にあると思うんです。
マスコミに大きく伝えられた反面、役人叩きや予算カットなど「絵になる部分」だけが切り取られてしまい、誤解を生んでいると思うのです。
特に実際の仕分け作業に携わってみて大きく違和感を覚えるのが、報道の中でコーディネーターが誇張されすぎている点です。コーディネーターは進行役としては大切ですが、実際の仕分け作業は仕分け人のチームプレイです。つまりある仕分け人が事業担当者に疑問点をきき、その答えに対してさらに別の仕分け人が質問して議論を深めていく作業なのです。そして、仕分け人と言っても考え方もいろいろで、複数の意見がある場合、結論は同じでもそこに至る思考過程が全く違ったり、逆に思考過程は同じでも結論は全く違うこともあり、大切なのは議論の内容です。そしてそれらをうまく引き出すのがコーディネーターの役割です。
形式はともかく「仕分け」という作業自体は継続して欲しいと思います。
最近CRE(企業用不動産)という用語をよく聞きますが、このCREにも一種の仕分け作業に相当する部分があります。
政府全体として仕事の進め方を再吟味して欲しいと思いますし、
さらにマスコミに対しても制度趣旨を理解した上で誤解を与えないような報道をして欲しいと思うのですが。