事業仕分け参加記-4 視察をかねて傍聴 | はい、タケコプター

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備忘録としての日記です。よろしかったらご覧下さい。

いよいよ仕分け開催を明日からに控えた金曜の夜、最後の資料のまとめにかかりました。


5分で県担当者からの事業説明、20分で質疑応答や議論を進め、最後の5分で採決と評価シートへの記入を行います。

ただ、想像してみれば質疑応答をのやりとりをメモしながら聞いて短時間で評価内容とそのコメントを考え、書いて提出するというのは至難の業です。


事前にラフではありますが原稿を用意してファイルにつづりました。


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4日土曜日。いよいよ事業仕分け始まりました。



はい、こんにちは

午前中は身の回りのことをいろいろやって、お昼過ぎに県庁に出かけました。


説明会で知り合ったIさんがこの日の担当で、どんな具合か話を聞きたかったのですが

あいにくお昼休みで仕分け人控え室におられる様子です。

いくら県民委員といえども、この日は一般傍聴者になるので、仕分け人控え室のあるフロアには入れてもらえません。


そこで、各班の仕分け会場に掲示してある仕分け結果を見て回りました。


最初に見た4班は異様に「不要」が多く、思わず「シビアだな~」と唸ってしまいました。

しかし、他の班は「やっぱりこんな程度かな」という感じでした。

今年は地味な事業、義務的な経費等が多く、廃止相当になりそうなものは少ないと見ていましたので。


そのうちIさんが仕分け会場に戻ってきました。

様子を聞くと「午前中は、責められてしどろもどろになってしまう担当者もいた。厳しいよ」とのことでした。



はい、こんにちは


午後の仕分けを順次見ていくことにしました。


やはり4班は追及が厳しいようです。構想日本から派遣された関西弁の仕分け人がかなり厳しく追及し、県民委員もなかなかいいところを突いています。


学校を通じて冊子を配布する手法をとる事業だったのですが、

満足度調査が冊子を受け取る保護者ではなく、冊子を配布する学校の校長にアンケートを採って出した数字だという説明があり、「それでは説得力がない」と仕分け人から指摘がありました。

逆に「静岡県の人づくり」という冊子を作って啓発活動を行う事業では、仕分け人が「冊子の内容がいい」と絶賛。

多少は駄目出しを食らったものの、担当者は心なしか嬉しそうな表情だったのが印象的でした。


別会場をぐるぐる回ったのですが、その途中、仕分け作業を終えて部署に戻る県職員の集団に出会いました。どうも仕分け人との意思疎通がうまくいかなかったようで、「要判定を出されたよ」と不満げな表情でした。


続いて行ったのが東京事務所の管理費についての仕分け。

今回最大の目玉と目されており、マスコミも傍聴者も多数でした。


こちらの記事 にあるとおり、非常に緊迫したやりとりでした。


報道関係者も現金なもので、注目度の高い事業にはカメラ、マイク、記者が鈴なりになりますが、そうでないところは記者席で閑古鳥が鳴いている始末です。

少ない人員で回さなければならないのだから当然でしょうけど。



はい、こんにちは

そしてもう一つの注目事業はグランシップの管理運営です。


こちらは去年仕分けの対象になり、更に今年も再度仕分けの対象になりました。


こちらも厳しい追及でした。

昨年の仕分け結果を受けてどのような対策をしてきたのかが見えてこない

という印象を強く受けました。


私が思うには、最近問題となっている外壁の剥離問題ですが、これは設計の不良ではないかと思うんですね。

しかも最初に剥がれ始めたのは平成16年だったようで、少々対策が遅れた感は否めません。


また、管理費についても、大規模な空間があるが故に空調費などが嵩み、年間7億円ほどの赤字を出しているとのことです。


説明者側は「文化の核」と位置づけているようですが、

そうだとしたらグランシップで生み出されるコンテンツこそ重要で、建物を維持するのに7億円かかるなら、経済性の高い建物に改造して経費を圧縮し、文化事業に資金を投入した方がいいと思うんです。


しかし、それはできないのではないかと思っています。

グランシップは著名な建築家の作品で、建物自体が芸術的な価値を持っているから、設計者の意に反するような改造はできないのではないでしょうか。

実際のところは、グランシップ自体が「文化の核」、つまり象徴的な存在なんでしょうね。


象徴的な価値、芸術的な価値があるといっても、県民にとってどういう効果があるのでしょうか。

『仕事でミスした。だけど電車の窓から見たグランシップに勇気づけられた』だとか

東京のサラリーマンが『新幹線から見たグランシップがすばらしいので定年後は静岡に住むことにした』

『静岡といえばまずグランシップが思い浮かぶ』

なんてことは少ないとは思いますが。


仕分け終了後Iさんと近くの居酒屋へ。

明日うまくできるようにと、いろいろ聞き出しました。


「開会式で県民委員の代表がスピーチをしたからもしかすると選ばれるかもよ」

「30人の県民委員の半分だから15人。15分の1の確率だから大丈夫だよ。」

#15分の1の確率が決して小さくないことをあとで知るのですが...。


仕分け以外でもお互い有益な情報を交換できました。



◆仕分けを担当された方のブログです。

 やっぱり住民から遠い(?)  静岡県の事業仕分け
 http://blog.goo.ne.jp/ksmrsmk/e/12fc26700a0ea35e295cfc9604bb151a


<続く >