余部を後にして城崎へ向かいます。
余部の隣の鎧駅はNHK連続テレビ小説「ふたりっこ」の現地ロケが行われた場所なんだそうです。
お次は香住駅。ホームにカニ爪のオブジェがあったり、こちらもカニで売り出しています。
改札口の上にはこんな装飾が。
教養がないので、"円山応挙って「なんでも鑑定団」でよく聞く名前だ"程度しか思い浮かばないんですよね。
香住の大乗寺 が応挙に縁があるんだそうです。
そんな感じで各駅とも地元の特徴を出そうとあれこれPRしています。
餘部から約50分で城崎温泉駅に到着。
城崎温泉までは大阪から毎時直通の特急北近畿や、京都からの特急きのさきが発着するためやはり人出が違います。
駅を出てすぐ左手にはさとの湯が。この大きな屋根の下は足湯になっています。
浴場は奥の建物だと思いますが。
かにシーズンで土曜日とあって観光客が多く、駅前はかなりの賑わいです。町並みにもかなりこだわりがあるようで、温泉街の風情が生かされています。
城崎の特色はなんと言っても外湯が充実しているところ。
最近は日帰りで食事と温泉という手軽な旅に人気があるようで、JRの駅でも「かにカニ日帰りエクスプレス」なんてポスターがあちこちに貼ってあります。
土産物屋でもメインはかに。水産物を扱っている店はもちろん、そうでない店でも必ず「かにみそ」くらいは置いてあります。
外湯は鴻の湯、まんだら湯、御所の湯、一の湯、柳湯、地蔵湯、さとの湯の7つがあります。
旅館に泊まっている人だけでなく、小生のようにふらっと立ち寄った観光客も入れる共同浴場です。
この外湯をめぐる外湯めぐりが城崎名物なんですが、小生の滞在時間は2時間半ですので、全部なんてのはとても無理。
それ以前に温泉にやたら入ると湯あたりを起こしますからね。
フトコロの面でも一回600円~800円ですから、全部入れば相当な出費です。
まずは街中散策から。
こちらのお湯は飲んで楽しむもの。
"湯飲み"がおいてありましたが手ですくって飲んでみました。
ちょっとしょっぱい感じです。
飲泉場から川伝いに伸びるこの木屋町通りは、志賀直哉や与謝野晶子も歩いたのだそうです。
ふと思ったんですが、与謝野馨氏は今どうしてるんでしょう。
木造の由緒ある老舗旅館が軒を連ねます。
その中で目を引くのが御所の湯。
まんだら湯はちょっと奥まったところにあります。
ちなみにまんだら湯の入り口に「まんだら屋」という旅館がありますが、以前テレビドラマにもなった漫画「まんだら屋の良太」とは関係ないみたいです。
一番端の方まで来ましたので、とって返します。
泊まりの人なんでしょうか、浴衣に下駄の人もちらほら見かけるようになりました。
外湯めぐりを推奨しているのにはこの辺にもあるんでしょうね。
町並みを温泉街らしくするのは資力があればできるんでしょうけど、そこを歩く人までは演出できませんからね。浴衣に下駄で歩く人がいれば一気に温泉街の雰囲気がアップします。
一の湯までやってきました。
こちらで入浴。600円です。売り物は洞窟風呂だそうで。
風呂に入ると足元がかすんで見えるほどのすごい湯気。
そんな状態だから、お湯はかなり熱いです。
帰りの列車までにあと2時間近くあるので、長風呂したいのですが、これではとても無理。
ということで早々洞窟風呂に行くことにしました。
洞窟風呂は早い話が洞穴の中にある露天風呂。
一応は屋外にあるので、中の風呂よりは温めのお湯です。
岩風呂は石に熱を吸われるのでぬるめなのかもしれません。
道後温泉に天皇陛下専用の石風呂があるのですが、石が熱を吸ってしまうのでお湯がなかなか温かくならず、あまり使われていないという話も聞きました。
そんな感じで、これでちょうどよい湯加減という感じです。
成分を見てくるのを忘れましたが、泡がいっぱいでるいいお湯です。
関西弁のおじさんたちが肩まで使って与太話をしてますけど、茹で蛸みたいになって上がっていきます。
小生は浅いところに腰掛けて腰のあたりまで湯につかる半身浴作戦に出ました。
おかげでどんどん人が入れ替わっていきますが、こちらは全然余裕です。
それにひんやりとした岩の壁にからだをぴたってくっつけてると気持ちいいんですよね。
戦略が功を奏して?一応目標の40分入浴の目標は達成。
芯から温まりました。
休憩室で少し休んでから城崎文芸館へ。
城崎と言えばなんと言っても志賀直哉です。
他にも白樺派の文人たちは城崎と縁があったようです。
温泉地には文学と縁があるところが多いですね。
そのほかにも城崎温泉の歴史なども展示されています。
城崎は元々外湯だけだったようですが、現在は各旅館にも引湯されているそうです。
温泉も地下水と同じ資源ですので有限で、汲み上げすぎたりすれば当然枯渇します。最近は「源泉掛け流し」なんて言葉ができて、お湯をふんだんに使わないとダメという風潮がありますが、どうも資源という意識が低いような気がします。
たっぷり使いたいけど有限であるだけに、どこも源泉管理ではいろいろ苦労があるようです。
鎧でロケが行われた「ふたりっこ」は城崎でもロケが行われたようで、こちらも紹介されていました。
マナカナもまだ小学生で可愛く写真に写っていました。
数年前にやはり山陰・松江を舞台にしたマナカナ主演のドラマがありましたが、こちらも少し紹介されていました。
マナカナも「ふたりっこ」の頃は可愛かったんですけどね....。
駅前で見つけたこの看板。
面白そうなので、買って列車に乗り込むことにしました。
城崎温泉駅は帰りの列車を待つ人でいっぱい。
かにのスチロール箱を持った人が思ったより少ないのは気のせいでしょうか?
臨時特急・かにカニはまかぜは6両編成。
前回同様、古式ゆかしいディーゼルカーがやってきました。
ここまでくたびれた列車は希少価値すらありますが、この「はまかぜ」も平成23年春に新型車両に置き換えられるとJR西日本から プレスリリースがありました 。
そんなこともあり、今回再び「はまかぜ」に乗ることにしました。
「はまかぜ」は和田山まで山陰線を走り、播但線を経由して、姫路から山陽線、東海道線で大阪に向かいます。
福知山線経由の「北近畿」の方が距離的にも時間的にも短いため、大阪までのり通す人は多くありません。
乗り込むとパッと見乗車率は3割未満。
前回は「はまかぜ」の切符をとるのが難しかったのですが、今回は前回より1時間早い列車ですので、帰りの足には少し早いから利用が少ないのかもしれません。
お待ちかね「かにまんじゅう」です。少し小さめのサイズですが、こんなもんでしょうか。
食べてみると、餡が濃厚なカニ風味です。なかなか美味しいと思います。
買った店には「冷めたら食べられません」と書いてあったけど、冷めたらどうなるのも見たかった気がします(爆)
播但線の停車駅で少しずつお客さんが減っていき、姫路でグッと減りました。
姫路では10分強の待ち合わせがあったんですが、この間に発車する新快速の方が大阪到着は早いんですね。乗り換えようかと思いましたが、ゆっくり行くことにしました。
進行方向が変わり、座席の向きを変えました。後ろがいないのでボックスにしてゆったり。
走りもゆったりです。
明石海峡大橋が窓いっぱいに広がるのは圧巻。
震災から15年を迎え、テレビで見た風景が信じられたいほどにきらびやかになった神戸の夜景など、1時間ゆっくり堪能しました。
大阪駅には定刻着。
いつもでしたらここから東海道昼特急の旅が始まるのですが、今回は新幹線で帰宅しました。