餘部駅からローカル列車に揺られること約15分。
乗車券の最終目的地浜坂にやってきました。
こちらは夢千代日記の舞台としても知られる湯村温泉への玄関口でもあります。
ひとり旅ではなかなか敷居が高いのが温泉宿。
温泉にゆっくりつかってカニでもと思うのですが、お高くついてしまいます。
ならばカニだけでも!ここ浜坂はマツバガニ水揚げ量が日本一。
ということで、遅めの昼食をとるため漁港の近くにある渡辺水産 へ。
食堂とお土産が買える観光客向けの施設。 6階建のかなりデカイ建物です。
2階に個人客向けの食堂があるのでそちらへ。
もちろんカニ。
かにしゃぶなんかもありましたけど、一人でしゃぶしゃぶってのもナンなんで。
2,000円の料理を注文。 やっぱこれでしょ。
もちろん無言になります(笑) 漁港の隣なので、天気が良ければ海を見に行くのですが、強烈な吹雪。
カニ釜飯が炊きあがりました。
いやぁ、寒い中歩いてきたから温かい釜飯はとても美味しいです。
30分ほど食事をして売店へ。
海産物がいろいろあります。
ホタテなんか買っていきたいんだけど、いかんせん遠すぎるからなぁ。
あと、目立ったのがホタルイカ。 ホタルイカといえば富山ですが、今は山陰産のものが主流なんだそうです。
ハタハタの姿も。こちらも秋田が本場と思いきや、最近は山陰ものが多いんだそうで、山陰は案外豊かな漁場なんですねぇ。
カニもいろいろ。 お店の人に、水がにを勧められる。
若いカニで身の入りはイマイチだけど、しゃぶしゃぶなんかにいいそうな。
月いっぱいしかでないみたいで、どうしようかなと思ったんだけど、結局マツバガニお土産に。
駅に戻ろうとしたけど、もう外を歩ける状態ではないのでタクシーを呼ぶ。
タクシーに乗ると「食事美味しかったかい?」と運転手氏。 行きに乗ったタクシーでした(笑)
ワンメーターだったので歩ける距離ですが、とにかく横殴りの雪。
余部は無風か弱い風程度だったので、浜坂の方が体感的にかなり寒いです。
余部の方が風が強いようなイメージがあったのですが、地形的に余部は三方を山に囲まれた形になっているので、今日のような西よりの風向きでは、余部は静かなのでしょう。
浜坂駅。特急も停まるのにかなりこぢんまりとした駅です。
ここから特急「はまかぜ6号」で大阪に向かいます。
これまた、国鉄時代の車両がやってきました。
北近畿では都会で走ってるようなステンレスの車両は全然見かけません。
この列車、本来は香住始発ですが、土曜日ということで浜坂始発になっているようです。
こんな感じでかなり古めかしい車内。
乗客も少なく、4号車には私の他に3人だけ。
発車時間になっても発車しない。
車掌からのアナウンスで「隣の久谷駅でポイントの切り替えが出来なくなっており、現在係員が対処しています」とのこと。この雪の中、作業をするのも大変だと思いつつ、折角なんでレトロ車両の車内の様子をいろいろ写真に納めてみます。
出入口はブルートレインみたいな二つ折りタイプ。
近鉄特急もこんな感じだったな。
最近めっきり見かけなくなったフォントの「くずものいれ」
昔は新幹線でもこんな感じだったなぁ。
当然電光表示などナシ。
昔は新幹線でもこんな感じの大きな窓でしたよね。
でも窓の位置がちょっと高かったり...。
国鉄のJNRマークの入った温度計。
年季が入ってますな。
洗面台もこの通りレトロ。
でもお湯が出るんですね。意外。
強い雪は一向に勢いがおさまらず。
まだ発車できません。
と思ったら、10分遅れで出発。
さらば浜坂。
問題の久谷駅は無事通過。
いよいよ余部と思ったのですが、駅の手前で停まってしまいました。
しばらく待ち合わせたあと、余部鉄橋へ進入。
先ほどよりは少し雪の勢いもおさまっているようです。
出来れば、もう一度来てみたい!そう思いながらデジカメのシャッターを切りました。
程なく、海岸線はトンネルの闇の向こうに隠れてしまいました。
だいぶくたびれた車内。それでもまぁ、たまに乗るならいいものです。
バスとはひと味違うディーゼルエンジンの力強いうなりも、なかなか普段は聞けませんからね。
香住、そして臨時停車の佐津駅にも停車。
次の城崎温泉で大量に乗客が乗り込んで先ほどまで閑古鳥が鳴いていた車内は一挙に満員御礼。
しかし、皆さん揃ってスチロールの箱を持ってます。
当然中身はカニでしょうねぇ。
関西の人のカニ好きも大したモンです。
列車は山陰本線を走り、和田山駅から播但線へ。
寺前あたりまでは雪が降っていましたが、次第に雪がなくなってゆきます。
豪雪の日本海側ともお別れです。
老兵ながら走りは快調な「はまかぜ」号、既に2時間以上乗っていますが、何かあっという間のようです。
白鷺城が見えてくると、そこは姫路。
新幹線に乗り換えるのか、一挙に3分の2くらいの乗客が降りてゆきます。
進行方向も逆向きに。
今まで壁向きに座っていましたが、今度は後ろに気兼ねせずにリクライニング。
しかし、アーバンネットワークの中に入ってくると、やはり鈍重さは隠せません。
隣を走っている各駅停車に加速では完全に負けています。
駅に停まらないから速いだけって感じです。
大阪までは、加古川、明石、三ノ宮に停まるだけですが、新快速のように突っ走ってる印象はありません。
定刻から約10分遅れて大阪着。
大雪の浜坂の情景が嘘のように、大阪の夜空には星が瞬いています。
鉄道ファンや子供達に人気があるらしく、結構沢山カメラを構えている人がいます。
確かに最近はあまりこんな無骨な車両って見かけなくなりましたから。
たこ焼きを買って、肥後橋のアパホテルへ。
このたこ焼き、ソースなしでも美味しかったです。